えっ、ネブラスカで原発事故?

昨日、ミズーリ川洪水の記事を書いたときは知らなかったのだけど、実はネブラスカの原発の状況に関して主にネット上で様々な流言飛語が飛び交っているらしい。ためしに「ネブラスカ」「洪水」「原発」のキーワードで検索してみたら、2ちゃん(ここは魑魅魍魎の巣だからカウントしない)以外にもいろんなヒットがあった。

たとえば

米国のネブラスカ原発が火災と洪水に見舞われ危機的状況か

とか、

オバマが報道管制を敷いているとか。

現地はバス80台で既に緊急退避させられてるってのもあったっけ。

、、、そんな話、地元じゃ聞いてねえよ。

こちらが「水没した」という評判の原発Fort Calhounを運行するOPPD (Omaha Public Power District、オマハ公共電力公社) の回答。

http://www.oppd.com/AboutUs/22_007105

英語から日本語にグーグル翻訳したらめっちゃ変(Power Station(発電所)が「駅」だったり)だったので、めんどうだけど、以下、日本語訳。(だいたい逐語訳だけど、どうしても日本語にならない部分は意訳。日本語の放射能関係の用語を知らないので、その辺はいいかげんかも。)

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Fort Calhounはレベル4の非常事態だと聞きました。

  • USNRCのサイトをご覧ください。
  • この表現は正確ではありません。
  • Fort Calhoun発電所は6月6日に「異状事態報告」(Notification of Unusual Event, NOUE) を出しました。
  • NOUEはNRCの規定する4種類の非常事態分類のうち、もっとも軽微なものです。
  • Fort Calhoun発電所はミズーリ川の水位が海抜1004フィートを越えると想定されたので、NOUEを出しました。(6月9日にその水位に達しました。)
  • Fort Calhoun発電所は4月9日の定期燃料棒交換以来、コールドシャットダウン(稼働していない)状態になっています。川の水位が下がるまで、この状態が続きます。
  • 原子炉、使用済み燃料保管プールとも、正常かつ安定した状態で、両者とも保護されています。これまで放射能漏れはありませんでしたし、今後もそのような懸念はありません。

日本の福島原発同様、Fort Calhoun発電所から放射能が放出されたので、発電所周辺が飛行禁止区域になったと聞きました。

  • 洪水によるFort Calhoun発電所からの放射能漏れはありませんでしたし、今後もそのような懸念はありません。
  • 飛行制限はミズーリ川洪水のためにFAAによって設定されたものです。(訳注、これに関しては上のNRCのサイトに詳しいが、原発周辺は9−11テロ以来、飛行制限がかかっているにもかかわらず、洪水関係のニュースのために周辺をメディアのヘリコプターが飛び交っており、これに対してOPPDの通報を受けたFAAが「原発周辺は飛行禁止ですよ」と注意を喚起したことが、「洪水のために原発事故が起こって、周辺が飛行禁止になった!」と報道されたもののよう。)
  • 原子炉は厳重に防水された建屋の中に格納されており、正常かつ安全なコールドシャットダウン状態で、23フィート以上の深さの冷却用純水に覆われています。
  • それに加え、当社 (OPPD) は重要な建物、機材の周辺にはアクアダム(商標)などの対水対策(訳注、bermって日本語で何というのでしょうね?ソーセージのお化けみたいなもので、水流をブロックするのです。)を行っています。

6月7日にFort Calhoun発電所で起きた火災のため、発電所内の使用済み燃料保管プールが沸騰し、放射能漏れの危険があると聞きました。

  • Fort Calhoun発電所の使用済み燃料保管プールにそのような差し迫った危険はありません。
  • 6月7日朝、Fort Calhoun発電所の電力スイッチギア室内で火災が発生したため、使用済み燃料保管プールを冷却するポンプの電源が一時的に失われました。
  • 電力スイッチギア室内の消火システムが正確に作動し、火災はすみやかに鎮静しました。
  • 約90分の電源喪失の後、使用済み燃料保管プール冷却用システムは原発作業員によって予備ポンプに接続されました。
  • 冷却が中断した間に保管プールの水温が2、3度上昇しましたが、保管プールが沸騰の危機に瀕したことはありません。
  • このため、Fort Calhoun発電所は6月7日に警告 (Alert)を発しました。
  • AlertはNRCの規定する4種類の非常事態分類のうち、2番目に軽微なものです。
  • 6月7日午後1時15分頃、Fort Calhoun発電所はすべての適切な安全対策を完了し、前述のNOUE状態(最初の項目参照)に戻りました。

OPPDは鉄道輸送が止まれば発電に必要な石炭が不足すると聞きました。(訳注、OPPDはこの原発以外に火力発電所を運行している。)

  • 現在のところ、OPPDの2カ所の火力発電所への列車運行は続いています。OPPDと外部業者によってネブラスカシティ駅の路面を高くし、発電所への石炭運搬の継続に努めています。(訳注、ネブラスカシティはオマハの南にあるミズーリ川沿いの町で、ここも洪水でかなりヤバい。)
  • 火力発電所には、すでに数ヶ月分の石炭が確保されています。

頭上の送電線に赤い旗が付けられているのは、OPPDがこれから(あるいはすでに)その電線への電力供給を停止し、その区域への送電を停止するという意味だと聞きました。

  • 頭上の送電線にオレンジ色の球もしくは赤い旗が付けられているのは、航空機や周辺で重機を操縦する作業者に高圧電線に対する注意を促すためです。
  • 電柱に付けられた赤い旗は、その電柱で送電が停められていることを示します。

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個人的にはネブラスカの発ガン要因で重要なのは、喫煙と地下水系から飲料水に混入していると言われる農薬だと思う。

善意であることはわかるのだけど…

ツイッターで流れてきた情報で、Susan G. Komen for the Cure という非常に大きな影響力を持つ乳がん支援団体でちょっと微妙な署名集めが行われていることを知った。

リンクはここ。 –>

もしかしたらこのページは閉じられるかもしれないので、スクリーンキャプチャーを貼っておく。(画像をクリックすると大きくなります。)

大雑把な内容は以下の通り(意訳):

「日本におけるガン死を防ぐために署名にご協力を」

原発事故により日本でガンが爆発的に増える恐れ (looming cancer crisis (訳注: これはかなり刺激の強い表現)) があります。国際コミュニティが今、ここで声を高くして、日本を援助しましょう。

過去の原発事故による放射能被ばくによって、大勢の方がガンで亡くなりました。日本はチェルノブイリの再現になる恐れがあります。(訳注: こら、何を言うか!) スリーマイルでも、発電所近辺住民のガン発生率は高くなっています。被ばく量により、白内障、ガン、先天的障害などが起こる可能性があります。

このような悲劇を繰り返してはなりません。

この署名活動に参加して、今回の事故の詳細、放射能データなどが公開されるよう、協力してください。(後略)
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ちゃんと読めば、言ってることは真っ当なのだけど、ちょっと斜め読みした場合、「えっ、今日本に住んでる人は、もう危ないんだって???」という印象を招きかねない。つまり、おバカな健康保険会社の連中が、こういう情報を中途半端に理解して、「2011年3月に日本に住んでた?はい、あなたはガンリスクが高すぎるから、普通の健康保険に入れません。ハイリスク向け保険を申請し直してください」などということになりかねないのである。

いちおう、この団体のサイトから、このページの文言はちょっと刺激的すぎること、早とちりした健康保険会社が日本から戻ったアメリカ人の健康保険差別をする恐れすらあること、さらに、放射線量データはすでに政府のサイトに公表されているから、それを参考にすればいいことなどを書いてメールを送ったけど、一般雑魚市民にどのくらいの影響力があるのかはよくわからない。

ときには、善意ほど始末の悪いものはない。