地震

今回の地震のニュースを最初に知ったのは、ツイッターからだった。木曜日(アメリカCST)の夜、ツイッターを見てたら、「まだ揺れてる」とか、「オフィスのパーティションが動いてる」とか、どの人もこの人も地震の実況中継。関東地方に少し大きな地震があると、ツイッターの画面(タイムライン、TLと呼ばれる)が地震実況中継一色になるのは珍しくないので、ああそんなもんかと思っていたら、そのうちに「津波警報」だとか「仙台駅の写真」だとかが登場するようになり、これはただ事ではないと気がついた。

本当にこれが「ただ事ではない」「観測史上最大級の」地震であることを知ったのは、(CST)金曜日の朝。TLは首都圏の交通情報、トイレや仮眠施設の情報、それから「俺、もう4時間歩いてる」とかそういうのがびっしり。それに混じって、震源に近い被災地の人探し、救助を求める声などが見られるようになった。

金曜の夜からは話題の中心は原発の状況。冷静な日本の核物理の専門家の声に混じって、恐怖感をかき立てるような「評論家」のツイートが出没。原発事故というのは諸外国(といってもわたしが見るのは主に米英のメディアだが)のジャーナリストの感情を揺さぶるものがあるらしく、日本語より約半時間遅れみたいな英語の扇情的(meltdown! explosion!)ツイートが頻出するのに閉口した。

エジプトやチュニジアの政変が「ツイッター革命」とか「フェイスブック革命」とか称されたが、たしかに有事の際にツイッターのTLを追っていると、不思議な一体感を感じる。その意味で、今回の日本の地震も「ツイッター地震」と呼べるかもしれない。

さて、ここまでのところで思ったことをいくつか。(あとでまとめて書こうとすると、どうせ忘れるので。)

今回は、震源に近い地域は別として、東京などでは電気、電話といったインフラが音を上げた状態でも、ネットはかなり安定していた模様。緊急時には互いの安否を確認するために電話回線がパンクするので、フェイスブックみたいに「実名で」「実社会の友人知人に向けて」自分の無事を発信するシステムは有効かもしれない。これはツイッターのように自分で好きな人を勝手にフォローして情報を受け取るシステムと相補的に使うことで大きな効果を上げると思う。

そしてツイッターで重要なのは情報の質。どんな人をフォローするかで、入ってくる情報がまるで違ってくる。幸いにして今回、わたしのTLには良心的な人が多いらしく、流言飛語の類いはほとんどなかった(除く原発関連)。むしろ、「血液製剤には使用期限があるので、献血に行くなら今日すぐではなく、しばらくして皆の興味が薄れた頃に行け」とか、「個人で貢献するには、物資よりもまず金」とか、落ち着いた、的確な意見がほとんどだった。

それにしてもネットの力は偉大。神戸の震災当時にこれだけの情報網が存在していたら、どれだけ違っていただろう。人探し、安否確認電話メッセージシステムの使い方、リソースマップなどをリストしたグーグルのサイトが瞬く間に登場したし、NHKは番組をネット上で提供している。複数の情報伝達手段が存在すれば、少なくともひとつにアクセスできる可能性は高まる。

あと、こんなときにちょっと心の和む映像を見ることができるのもネットの良さだろう。節電を呼びかけるポスターサイトは、cornyではあるが、altruismの具現でもある。(う〜ん、日本語むずかしい。。。)

[追加]
救援にやってきた空母ロナルドレーガンの甲板に描かれた人文字とされている写真は、どうやら違うらしい。(出典

4 thoughts on “地震

  • March 13, 2011 at 2:08 am
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    私はFacebookで連絡していました。日本に住むアメリカ人に、どうやって自動停止したガスをリセットするのかとかも教えることになりました。
    一方、仰るとおり、ツイッターは変なうわさだらけですね!でも、この心細い中、誰かと話したくなる気持ちは分かります。恐怖を煽る人もいるようですが、ここまで情報のやりとりが盛んだと、人間全体としては、いい方向に進んでいくんじゃないかという気がします。

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    • March 13, 2011 at 12:28 pm
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      やはり!ネットの通じる環境が残っていれば、こういうとき、Facebookはいいですね。電話だと一人ずつしか連絡つきませんから、すぐに回線がパンクしますが、Facebookなら相手が見たいときに確認できます。
      ツイッターの実況中継は、海外から傍観するしかない身ですが、それでもいろいろ学びました。アメリカで災害にあったとき、使えそうな情報もいろいろ。(使うはめになりたくないけど。)

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  • March 13, 2011 at 4:28 pm
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    FBで探している人の安全を確認したとか、日本語のわからない人たちに輪番停電情報を外国語で告知したりとか(FB使っている外国人多いだろうから)、FBなりの使い方があるみたいですね(それを知ったのはツイッターですが)。ツイッターは、俄か素人評論家みたいなのが多くて、もう読む気しない(また、例の方が煽ってる)。私、アカウントごとでフォロワーの属性が全然違うので、質というか内容がかなり違うのを目の辺りにしています。
    原発については、大前さん(現役じゃないけど)が日本時間の昨夜USTREAMでライブやったみたいですね。新潟県中越沖地震時の解説→http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/91/
    ロシアの専門家も「チェルノブイリの再来はない」と。
    http://english.pravda.ru/news/hotspots/12-03-2011/117177-japan_fukushima_chernobyl-0/

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    • March 13, 2011 at 9:41 pm
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      ネット上の情報の質が玉石混淆であることは、とくに医療記事などにおいて早くから指摘されていましたが、このような大災害のときはそれがますます強く感じられます。政府や公的機関の公式発表があっても、「何か隠してる」とかいうツイートも見ました。その一方で、無償で良質の情報を流してくださる方もいらっしゃるわけで、そういう努力には本当に頭が下がります。そういう方は、本名で所属を明確にしてやってらっしゃる。それを見れば、その分野のプロであることは明確ですしね。
      ツイッターのデータは時系列に沿って保存されているわけですから、社会学や情報論の研究者が、この地震発生以来のツイートを分析すれば、興味深い結果がでるだろうと思います。

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