Tattoo and copyright

今日のNew York Timesに「タイソン(元プロボクサー)の顔の入れ墨を模倣した人物を登場させた映画に関して、タイソンに入れ墨を施した彫り師が、映画の製作元を相手取って、版権の侵害であると訴えた。」という記事があった。

わたしは別にタイソンの入れ墨なんかどうでもいいし、ここで取り上げられている映画にも別段興味はないのだが、この記事で一つ気になる点があった。それは、タイソンに施された入れ墨が、マオリ族の伝統的な刺青デザインを元にしているという部分だ。ならば、版権は彫り師ではなく、最終的にはマオリ族に帰属するのではないか?

刺青をめぐる版権問題というのは先例がないそうだが、「先住民族」「版権(こちらは厳密には特許だが)」とくると、バイオ関係では先例がある。1990年代にパプアニューギニアの先住民の血液から樹立された細胞株に対して認められた特許を巡り、「先住民の価値観、尊厳を無視している」「先進国研究者の驕りだ」などと法律、倫理の面から問題になった。(たとえば、この問題と扱った当時のサイエンス誌の記事はこちら。2889186

個人的には、タイソンの顔の入れ墨のデザインなんかより、アメリカでよく見かける「変な日本語(もどき)」の入れ墨の方がずっと気になるんだけど。あれに出くわすたびに、My Fair LadyのProfessor HigginsがElizaの英語を称して言った「Cold-blooded murder of the English tongue」というフレーズが思い出されてならないのである。