オルガン

土曜日の夕方のミサを弾いているSt Mary’sの神父さんが大の音楽好きで、とうとうトラッカーオルガンが入った。最初は新作を注文したかったらしいが、大司教の許可が下りず、人づてに中古のトラッカーを発見。一ヶ月ほどかけて古いオルガンコンソールを撤去し、(古いパイプはもともとクローゼットのようなスエルボックスの中に設置されていたのでそのまま残っている)新しいオルガンが入った。

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鍵盤二段にペダル、フルート16, 8, 4, 2 footとプリンシパルは4 footしかない小さなオルガンだが、うっとりするほど鍵盤のタッチがなめらか。ミクスチャーも効率よく組み合わせられているので、幅広い音色を作ることができる。

Southern France Organ Study Tour – 19

最終日午後は Poitiers の Cathédrale Saint-Pierre へ。「オルガン世界一」を挙げるときに、ほぼ必ず候補に入る有名なオルガン。これまたバスは教会の近くまで行けなかったので、最寄りの大通りでバスを下りて教会への丘を登る。

ポワチエ大聖堂

Poitiers Cathédrale Saint-Pierre

 

祭壇

Poitier Cathédrale Saint-Pierre

Choir の椅子の下にいろんな装飾が

Poitiers Cathédrale Saint-Pierre

壁に彫られたラビリンス

Poitiers labyrinth Poitiers labyrinth

オルガン

Poitiers Cathédrale Saint-Pierre

ここで弾いたのは Titelouze の Magnificat 第2曲。

せっかくここまで来たのだから、ぜひ全員何か弾くべき、というツアーディレクターの思し召しで、一人あたりの持ち時間は3分から5分という超過密スケジュールだった。レジストレーションを手伝ってくれたここのアシスタントオルガニストが、「違ったレジストレーションも試してみたら?」と言ってくれたのだが、「時間厳守。最初の数小節だけなら許す」ということで、ちょっとだけ違ったレジストレーションで弾かせてもらう。かくして最後のオルガンはバタバタと大忙しのうちに終了。

ここから再びバスに乗ってパリへ。パリ周辺の道路は前日のキリスト昇天祭の祭日を合わせて long weekend に遠出する車で大渋滞。この日の宿泊はドゴール空港近くの巨大ホテル。いちおうレストランの一角で farewell party らしきものをやり、無事にツアーは終了した。

Southern France Organ Study Tour – 15

この日の晩は、ロマネスク様式の代表的建築である Basilica of St. Sernin へ。現地でツアーの面々と落ち合うことにしていたのだが、夕方から小雨が降り出し、肌寒い夜に。しかも「現地で落ち合う」と言っても、巨大な教会なので、出入口がいくつもある。教会正面扉の前は、雨宿りのホームレスや、いちゃつく若いカップルが占拠。教会の中からはオルガンの音が聞こえていたので、約束したオルガニストが教会内にいることは間違いなかったのだが、彼がいったいどの出入口から出てくるのかがわからず、結局、何箇所かに別れて待つことになる。

St Sernin の鐘楼

Basilica of St Sernin

 

ようやくオルガニストが出てきて無事に教会内に入れたが、この日は Ascension (キリスト昇天祭)の前日で、翌朝のミサに備えて sacristan ( 日本語は聖具保管担当者?要するに教会の用務員さん)が祭壇の掃除に余念がなく、どうやらわたしたちのことを自分の仕事の邪魔をする闖入者とみなしたらしく、照明を暗くしてみたり、わざと(?)延々と掃除してみたり。

祭壇

Basilica of St Sernin

回廊も広く、とにかく巨大な教会。こんなに広いのは、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼経路にあり、巡礼たちがここに寝泊まりしたからだそうだ。

Basilica of St Sernin

ここのオルガンは Cavaillé-Coll。コンソールはなぜか小さな部屋のようになっており、入り口を閉じれば中で昼寝をしていても誰にも気づかれない!

St Sernin organ

オルガニストが「ここのオルガンは Widor や Vierne の派手な曲が似合います」と言ったせいか、次から次へと賑々しい演奏が。わたしは最後の方だったので、「賑やかな曲はもう打ち切り。ここから後の人は静かな曲を弾いてください」とのことで Dupre の Magnificat 第5曲を。昼間に第6曲を中断したから、それを弾きたかったのだけど。

 

 

 

Southern France Organ Study Tour – 13

ツアー8日目、トゥールーズ二日目。

この日も前日同様、4つのオルガンを巡るはずだったのが、朝一番に予定されていた L’église Notre-Dame du Taur が「オルガンロフトの鍵が行方不明で、ロフトに入れません。」!

何これ?

なんでも、セキュリティのアップデートか何かでオルガンロフトの鍵を付け替えたのだが、その新しい鍵を誰も受け取っていないので(???)オルガンにアクセスできないとのこと。この週末にそこでコンサートをする予定のオルガニストも練習できず困っています、とか。司祭が日曜日のミサをすっぽかして帰ってしまったり、オルガンロフトの鍵が行方不明になったり、はたまたツアーバスの運転手はあちこちで迷子になったり、とそれに比べるとアメリカというのはなんときちんとした国なんだろう。(日本なんか、もう人間の能力の限界を越えてますね。)

ということで、最初の教会がキャンセルになったので、午後に予定されていた教会2つのうち、Church of Gesu は午前中に来てもいいということだったので、そこに向かう。実は前日の Temple du Salin のすぐ近く。

Church of Gesu は19世紀後半に建てられた教会だが、当時の懐古趣味を反映して内部はネオゴシック様式。

Church of Gesu

柱など丹念に装飾が施されている。ここにはルルドの洞窟を模したチャペルもあったのだけど、写真を撮り忘れた。

外周をぐるりと回廊が取り囲む。この回廊の一角には当地のオルガン協会の事務局も。

Church of Gesu

ここの座席は背もたれが移動して、前向き(教会用)にも後ろ向き(オルガン・コンサート用)にも座れるようになってる。賢い!

Church of Gesu

オルガンとコンソール

Church of Gesu organ Church of Gesu organ console

ここのオルガンは Cavaillé-Coll なのだが、ペダルのレンジが狭く、Dupre の Magnificat の第6曲を弾こうと思ったのだけどペダルが足りなくて断念。

午前中の予定を終えて大通りを歩いていると、マーケット (Marché des Carmes) を見つける。

肉屋の前でお行儀よく待つワンコ

Marché des Carmes

マーケットの周辺にはたくさんレストランがあり、そのうちの一つでお昼の定食を。10ユーロちょっとで肉と野菜たっぷり。この旅行中でいちばん満足したレストランだった。

Southern France Organ Study Tour – 11

ツアー7日目。ここから丸二日間、トゥールーズの市内のオルガンを、ほぼ徒歩で回る。(ツアーバスで移動したのは一回だけ。残りはすべて、旧市街の狭い範囲内に。)移動がないということで同居人は大喜び。早速寝坊を決める。

まずは Musée des Augustins へ。ここは元はアウグスティン会派の修道院だったが、フランス革命期に最後の修道士たちがここを去り、現在では美術館。しかし建物は修道院のままなので、回廊、中庭などがそのまま残っている。

Musée des Augustins

外観

Musée des Augustins 外観

中庭

Musée des Augustins 中庭

 

回廊

Musée des Augustins 回廊

オルガンは修道院付属の教会だった部分にある。

Musée des Augustins オルガン

このオルガンは近年に新しく建造されたもの。いちおうドイツ風のオルガンなのでバッハの Schübler Chorales から Ach bleib bei uns, Herr Jesu Christ (BWV 649) を弾く。

次は徒歩でトゥールーズの大聖堂の付属チャペル、 Chapel de Sainte-Anne へ。

大聖堂外観

Toulouse Cathedral

Chapel de Sainte-Anne

Chapel de Sainte-Anne

ここも新しく建造されたオルガン。こちらはイタリア風。

Chapel de Sainte-Anne オルガン

短いリードが手前にある。調律が楽だ!

Chapel de Sainte-Anne オルガン

ちょっと変わったペダルボード。

Chapel de Sainte-Anne オルガン

チャペルの中にあった張り紙。「教会のために、お金は空から降ってきません。」と、わりと身も蓋もなく寄付を呼びかけるポスター。

Chapel de Sainte-Anne ポスター

 

イタリアンな曲は用意して来なかったので、ここで弾いたのは Sweelinck の Unter den Linden の最初の二曲。

適当にお昼を食べて、午後は別の教会で集合ということで、どこからともなく現れた同居人(伝書鳩なみの帰巣本能の持ち主)と安いベトナム料理屋(ほとんどテイクアウト専門と思われる)でベトナム春巻きと焼き飯の昼食。

 

 

 

Southern France Organ Study Tour – 10

午後はトゥールーズ近くの Cintegabelle という小さな村へ。観光化された Carcassonne と違って、畑の広がる田舎。午後も雨が降り続く。

目的地は L’église de la Nativité de la Sainte Vièrge。ここのオルガニストは若い人で、すごく親切だった。

オルガン

Cingegabelle

教会の中

Cintegabelle

ここはメインのフレンチ・クラシックのオルガンの他に、新しく制作されたポータブルの小さなオルガンもあり、それも見せてもらった。

Cintegabelle Cintegabelle

(この箱の中にすべてのパイプが収まっており、反対側には鍵盤がついている。)

教会の中に掲示してあったオルガンを祝福する祈祷文(右側)。新しくオルガンを建造したり、大掛かりな改修をしたりした時は、必ずオルガンを祝福する典礼が持たれる。

Cintegabelle

ここもフレンチ・クラシックペダルボード。ピッチは真ん中のAが392 Hz で、現代の一般的なピッチよりも丸一度低い。ここではペダルに挑戦するために Titelouse Magnificat の第1曲。

この日から三泊、トゥールーズ。ホテルにはレストランがないので、近くのイタリアンへ。

実はホテルに到着するまで、ちょっとした冒険だった。このツアーバスの運転手はあまり下調べをしないのか、使っている地図が悪いのか、GPSが悪いのか、とにかくよく迷子になる。この日、ホテルを見つけるまでトゥールーズ市内で一苦労。ゴミ回収のトラックの運ちゃんに道を尋ね、最後は運ちゃんらが先導してやるということになり、それについて行ったものの、路面電車の走る道で小回りがきかず、大渋滞の元に。最後はなんとゴミ回収トラックの運ちゃんが路面電車を止め(!)、その指示で路面電車の線路を乗り越えて反対車線に迂回。ドイツやオランダだとこういう融通は利かなかっただろうな。

Southern France Organ Study Tour – 9

ツアー6日目、月曜日。せっかく地中海に面する港町 Port la Nouvelle に泊まったのに、お天気は今ひとつ。

Port la Nouvelle

この写真では雨は降ってませんが、朝焼けは雨の予兆との言い伝えどおり、この日は雨のしのつく肌寒い一日に。

午前の目的地は中世の面影を残す城壁都市 Carcassonne。ここは一般のツアーでもよく行くところで、さすがに標識だの駐車場だの、非常によく整備されていた。

城壁に沿って

Carcasonne

 

街並み — よく保存されてはいるが、完全に観光向け

Carcasonne

目的地は Basilique Saints Nazaire et Celse のフレンチ・クラシックオルガン。

暗くてうまく写真が撮れない。

Basilique Saints Nazaire et Celse

ここはこれまでに訪れたどこよりも教会がよくメンテされていた。それだけ観光収入が潤沢なのだろう。その代わり、オルガンを弾いている間も観光客がひっきりなしに。遠足(?)らしき子供の団体も多かった。

祭壇とステンドグラス

Basilique Saints Nazaire et Celse

 

ここで弾いたのは Titelouse の Magnificat の第5曲。短い曲なのでいくつか違ったレジストレーションを試す。ペダルはフレンチ・ペダルボード。(こういうやつ

本来の予定ではこの日はお城を眺めながら外でピクニックということだったけど、雨のため断念。適宜カフェにでも入って食べてください、ということで、あまりお腹も空いてなかったからランチはスキップ。

Southern France Organ Study Tour – 8

ツアー5日目、日曜日。この日は希望者はビーチで水遊び、残りはスペイン国境近くの Perpignan の Cathédrale Saint-Jean-Baptiste で11時のミサに出て、午後、そこのオルガンを弾くというオプションツアーの日。前日までの爽やかな青空はどこに行ったのやら、グズグズと曇った肌寒いお天気。あまりビーチ日和とは言えないので、 Perpignan に行くことにした。(同居人は教会はもう飽きた、ということでビーチを選ぶ。)

地中海に面した Port la Nouvelle  は Perpignan への道すがらになるので、ビーチ組はここで下車。残りはバスで Perpignan へ。スペイン国境のすぐ近くなので、周囲の車もスペインナンバーが増えてくる。

さて、11時のミサに間に合うように早起きしてはるばるやってきたのだが、なんと!

「神父さんが予定を間違えて帰ってしまったので、11時のミサはありません。ミサに与りたい方は他の教会に行ってください。聖餐だけ受けたい方には、助祭がすでに聖別された聖餅をお配りします。」って。

う〜ん、前日の Aix といい、この Perpignan といい、なんか神経質なアメリカの教会とはだいぶ違う感じ。とりあえず聖餐式に参加。神父さんがいないので eucharistic prayer のない簡略版である。

カトリックの司式は世界中どこでも基本は共通なのだけど、音楽の使い方などがアメリカとフランスで違うのが興味深い。アメリカのミサでは聖歌はどこでもオルガン主導。オルガンがイントロを弾き、メロディーもオルガンに合わせて会衆が歌う、といった感じ。フランスは、今回の旅行中に2回体験した限りでは、カンターもしくは助祭が主導、オルガンは歌に静かに従属する感じ。ただし、歌詞の節と節の間に、ちょっとしたオルガンソロ(即興?)が入る。フレンチ・クラシックのオルガン宗教曲は歌唱とオルガンが交互に入る構造になっているのが基本なのだけど、これはその伝統を継いでいるのだろうか。

で、無事に典礼が終わったところで、ロフトから出てきたオルガニストを捕まえて話し合った結果、午後二時に「誰か」が来てオルガンを弾けるようにするので、それまでに昼食でも食べてきてくださいということになった。

大通り近くのカフェで昼食。なんとかお天気も持ち直し。

Perpignan の Cathédrale Saint-Jean-Baptiste にはオルガンロフトに一台、祭壇の後ろにもう一台、と二台の Cavaillé-Coll がある。ここの教会の内装はこれまで見たどこの教会とも違って、すごくスペイン風。

この日はフランスの「母の日」ということで、教会の前の花屋に last minute で花を買う人の行列が出来ていた。

外観

Perpignan Cathedral Perpignan Cathedral

 

内部

Perpignan Cathedral Perpignan Cathedral Perpignan Cathedral

 

メインオルガン

Perpignan cathedral, main organ

オルガンロフトの下部にはこんな飾りが。

Perpignan cathedral

 

約束の二時になってやってきたオルガニストは、日本語を話す女性だった。ここで弾いたのは Dupré の Magnificat の第五曲。

 

 

Southern France Organ Study Tour – 7

う〜ん、こんなペースで書いてて、果たして記憶が鮮明なうちに全行程書き上げることが出来るのだろうか? まあ、めげずに書きます。

南仏の楽しいのは、あちらこちらにローマ帝国の面影が残っていること。多くの都市はローマ時代に建てられたものだし、歴史好きの血が騒ぐ。

さて、 Nimes もローマ以前から続く街。郊外には有名な水道橋が残っているし、街のど真ん中に円形劇場もある。(水道橋は時間がなくて見ることができなかったけど、円形劇場はバスの窓からこの通り。)カエサルのエジプト遠征に従軍した兵士たちが除隊後に入植したのがこの地方らしい。

Nimes amphitheatre

ここの目当ては Eglise St Paul の Cavaillé-Coll 。比較的早期のオルガンで、鍵盤が重い!この日はバスの運転手が教会を探し当てるのに一苦労して、街の中を何度かぐるぐると回り、最後は「ここから歩いてください」ということで大通りの一角で降ろされた。後で気づいたのだが、グーグルマップに載っていた住所はどうやら間違っていたらしい。(今日、グーグルしてみたら、正しい住所が表示されていた。誰か通報したのかしら。)

この教会は19世紀に建てられたもの。

Eglise St Paul, Nimes

Eglise St Paul, Nimes

オルガン

Eglise St Paul, Nimes, organ

ここで弾いたのは Dupré の Magnificat の 第四曲。

この日は Nimes の駅近くのホテルに泊まったのだが、そこのホテルにはレストランがないので、歩いて10分くらいの街の中心近くのホテルで夕食。駅から街の中心街への道沿いで地元の農業フェアをやっていた。

牛やら

Nimes

馬やら

Nimes

他にも豚やらウサギやら鶏やら。それぞれ品種名と出品者の連絡先が書いてあって、多分そこに連絡すればこれらの家畜を買えるのだろう。(このツアー、University of Kansas の主催なので参加者もカンザスの人が多く、農家育ちどころかホンモノの現役農場主なんて人もいたのだが、「あらこんなところでカンザスに帰ってくるつもりはなかったのに(笑)」と。)もちろん、生きた家畜だけではなく、オリーブオイルや食べ物、ワインを売る店もたくさん。観光客相手のホテルのレストランよりは、こっちで食べた方が美味しかったのだろうけど、夕食はこの日の日程に込みだったから残念。