今日のNew York Times Magazineの記事から。今風に言えば、「ブルドッグって、おわってる?」ていうところ?ブルドッグの品種の「理想」を追求し続けたあまり、純血のブルドッグは動物として生きていくのに適さなくなってるのではないかという記事。へちゃむくれた平らな顔のため気道が狭く、少し運動させるとすぐに息切れする。食物を誤嚥して肺炎を起こすこともしばしば。処置のために麻酔をかけ、挿管したら、覚醒しても自己抜管しないのだそうだ。(挿管されている方が、普段より呼吸が楽なためらしい。)皮膚にヒダがあるのが良いとされるため、しわの間に感染を起こす。角張った体型のため、いまや自然に交配することもできず、出産も帝王切開を要する。これがGM(遺伝子組み替え)で作られた品種なら、環境保護団体をはじめとする色々な団体がさんざん反対運動を起こしているだろうが、これは「普通の」交配で生み出された品種なので、大声で反対を唱える人はまだ少ない。しかし、イギリスのケンネルクラブはすでに「理想のブルドッグ」の定義を少し変更し、人工的に定義された「理想」のために動物の健康を損なうことがないようにという動きを見せている。
ブルドッグの人気の秘密は、そのへちゃむくれた顔、ずんぐりした体型、人が介助しないとほとんど何もできないところが、まるで(人間の)赤ん坊のようで、飼い主の母性本能をくすぐるのだそうである。ドッグショーではnon-sportingカテゴリーだが、同じカテゴリーの(見た目の)対局ともいえるのがプードルである。わたしは個人的には断然ブルドッグよりはプードル派であるが、好みの犬のタイプによる性格診断なんてあるのかしらん。(プードルはなんと言っても、あの長い鼻面がいいよね。賢そうで。テディベアカットだか何だか知らないけど、せっかくの長い鼻面が映えないのは好きじゃない。)
長いけど一気に読める興味深い記事。とくにペット好きには一読の価値ありと思う。