Duruflé Requiem

先週の金曜日は聖歌隊の秋のコンサートでデュリュフレのレクイエム。3年前にフォーレのレクイエムをやって以来、二度目の「レクイエム」となった。デュリュフレはフォーレほど頻繁に演奏されないかもしれないが、20世紀のフランスの作曲家・オルガン奏者。フランスのオルガン音楽の伝統というのは、バッハに代表されるドイツのオルガン音楽の流れとはまた異なった独特の味わいがある。実はわたしがこの作曲家を知ったのは、某所のオーディションでこのレクイエムの第二曲、「キリエ」が課題曲にあったからであるが。

(YouTubeにNHKからと思しき画像がある→

フォーレのレクイエムは美しいのだが、歌っていてオイシイのはほとんどソプラノ。アルトは楽章によってはほとんど全部休み、みたいな扱いで、ある意味で気楽だったのだけど、デュリュフレは、夫人がアルトだったためかどうか、アルトパートも結構充実していて気が抜けない。このレクイエムはオルガン版、オーケストラ版など、三通りの伴奏が現存するのだが、今回使ったのはオルガン版。ウィーンからオルガニストを迎えるという例のない凝りようで、当地の音楽監督の気合いのほどがうかがわれた。

実のところ、音楽大学でもない、ほとんどのメンバーがボランティアの教会の聖歌隊で、それも2ヶ月半でこの曲を仕上げるというのは、かなりの冒険だったんじゃないかと思う。デュリュフレは20世紀の作曲家とは思えないほどロマンチックな音楽家だが、それでも拍子記号がコロコロ変わり、転調だらけ。おまけに実際にオルガンを合わせたのは、本番2日前の2時間のリハーサル一回切り!

合唱譜は紙面節約のためか本当に合唱パートのみで、他の楽器の記載がほとんどなく、休止をずっと数え続けないといけないというシロモノ。オーケストラのパート譜に慣れている人からすればどうでもないことかもしれないが、合唱譜というのは最低でもピアノ伴奏がついていることが多いので、普段はあまり数える訓練ができていないのである。仕方ないから、危なそうな「入り」の部分は、オルガン伴奏を聞き取って自分で譜面に書き込んだ。子供の頃にやった聴音がこんなところで役に立つことになるとはね。

で、今日、CDをもらったのだが、悪くないんじゃない?最初の少人数で無伴奏で歌ったモテットの部分のアルトは伸び悩んでいるけど(音域の関係上、どうしてもソプラノに負けがち、と言い訳しておこう)、レクイエムの方はなかなか。指揮者が入りを間違えて、違うパートの方を向いて振ったのにもめげなかったし。でもオルガンの音というのは、やっぱり録音では再生できないもんだね。