ロン・ポールの資産

おことわり:これはロン・ポールの資産配分を推奨するものでも非難するものでもありません。あくまで「こういう人もいるよ」という話。

共和党大統領予備選がいよいよ加熱してきたけど、まあ、わたしは米市民ではないし、共和党を支持するわけでもないので傍から興味本位で眺めるだけ。本命はロムニーということで意見の一致を見ているようだが、しかしそれだけでは面白みがないためか、次から次へと数週間ごとにマスコミの推奨する「強力対抗馬」が登場しては消える。正直なところ、そのパターンの分かりやすさは、「タイガーマスク」とか「仮面ライダー」とかいった子供向け番組で取っ替え引っ替え「悪者」が登場しては破れていった単純しごくな番組構成を彷彿とさせる。

ところで、根強い支持層があるにもかかわらず、いつもマスコミからは距離を置かれているのがロン・ポール。彼の政治理念はある意味で共和党の原点である「小さな政府」。彼の経済・外交政策はアメリカ孤立主義、国外援助の廃止、自由貿易、連邦準備銀行の廃止、金本位制の復活などが主なポイントだが、「小さな政府」の延長として連邦所得税の廃止、連邦レベルでの薬物(マリフアナなど)取締の廃止、市民が武装する権利の保証などを主張しているので、支持者の中には必然的に極右のフリンジも含まれる。

ロン・ポールは現役の下院議員でもあるので、法律によって、その資産内容が公開されている。この記事によると、たいていの議員の資産の内訳は、平均的なアメリカ人と似たようなもので、キャッシュが1割、ボンドが1割、不動産が2割、残りが株式といったところらしい。ところがロン・ポールの場合は全く違う。資産総額は$2.44 million から $5.46 million の間だそうだが、その内訳は、キャッシュが1割強、不動産がほぼ2割というところは普通だが、残りのほとんどは金・銀採掘関連会社の株オンリーなのだそうだ。ボンドはゼロ、アップルとかエクソンとかいった、いわゆる「普通の」株も、ゼロ、ほんのわずか株式ファンドを保有しているが、それは普通のファンドではなくショートのファンド、株価指数が下がると値打ちが上がる類のものばかりらしい。

金本位制復活を叫び、今の借金まみれの状態ではアメリカ経済は壊滅すると予言しているロン・ポールにとって、ボンドはゼロ、株価指数はショート、株式は金・銀採掘関連会社のみというのは当然の結論なのかもしれない。

先週号のエコノミストの表紙

先週号(7月9日ー15日号)のエコノミストは「ニュースメディアの将来」という特集を組んでいたが、18世紀のカフェが活発な情報交換の場であったことを踏まえて、それをもじった表紙がちょっと面白かったので紹介。

(画像をクリックすると大きくなります。)

残念ながらネット版の表紙絵はこれ以上大きなものが見つからず、拡大しても解像度があまり良くないので細かいジョークは読みにくいかも。全体に共通するツボは、エセ18世紀風の綴り、言葉遣いで、現代のメディアトレンドをおちょくっているという部分。

1. ケーブルテレビのニュース専門局のように見えるが、アンカーの女性は髪粉をふった鬘をつけ、18世紀風のドレスを着ている。画面下のテロップは”NEWS BREAKETH”(CNNなどではよく”Breaking News”(緊急特報)というテロップが出る)。Breakethという、わざと古い活用を使っている。テレビが流れているものの、誰も画面の方を向いていないというのも、重要な点かもしれない。

2. “PITT the YOUNGER on TUMBLR” 「小ピット、Tumblrに」。小ピットは18世紀後半のイギリスの政治家。最近はブログのプラットフォームとしては、bloggerよりもtumblrの方がかっこいいと思われてるのか?

3. “GRATIS WYE-FYE” gratisは「無償」の意。「無料Wi-Fi」。Wye-Fyeという綴りもなんとなく18世紀的。

4. “MARIE ANTOINETTE’S BLOG ~ NEW CAKE RECIPE” 「マリー・アントワネットのブログ – 新しいケーキのレシピ」。これは説明の必要はないでしょう。アントワネットはtumblrじゃないのね。

5. “Will thou be my Visagebook friend?” 「貴公は拙者の顔本友達になってくださるかな?」Visageとは顔のこと。もちろんFacebookのもじり。

6. “I saw her on ThouTube” 「彼女は ThouTube で見たよ。」ThouはYouのことなので、YouTube。

7. “Is this the South Sea Bubble 2.0?” 「これは南海バブルの二の舞か?」最近のネット関連企業の人気は、ドットコムバブルの二の舞かと言われていることを踏まえて。南海バブルは18世紀の経済バブル。

8. “I hear Tom Paine’s all a-twitter” 「トム・ペインが大人気らしい。」a-twitterは文字通りに訳すと「ツイッターで話題になっている」だが、「話題になる」に相当する普通の単語はabuzz。Googleのソーシャルネットワークの試みの一つにGoogle Buzzというのがあり、あまり成功しなかったので、それも引っ掛けたものだろう。トム・ペイン(トマス・ペイン)は18世紀のイギリス/アメリカの思想家、独立の父の一人。

9. ラップトップ。シルバーっぽいボディはマックか?

10. こちらは紛うことなくiPad。林檎のロゴがはっきり見える。

11. “WIKYE-LEAKES LATEST: Josephine Bonaparte’s emails” 「ウィキリークス最新情報:ジョゼフィーヌ・ボナパルトのEメール」。

12. “TEA PARTY GAZETTE BACHMANN DOTH ROCK” 「ティーパーティー新聞、バックマン最高!」バックマンは最近サラ・ペイリンよりも一部で人気を集めている保守派の女性政治家。Tea Partyといえば、元来はアメリカ独立戦争時の事件の一つであるBoston Tea Partyを意味し、これも18世紀後半の事件なので、この絵の時代と合致する。

13. マウス。Windowsマシン風の2つボタンマウスが床に転がっているのは、最近のタッチスクリーンの隆盛とも関係があるのかもしれない。

商品珍配列

偶然か、わざとなのか、妙な商品配列の写真ばかり集めた記事を見かけたのでご紹介。はっきり言って、アメリカに住んでないと面白くないかも。

まずは入門編。日本人が見ても一目で「変」と思える写真。

銃のとなりに目出し帽。こんな銀行強盗を助長するようなことはしてはいけませんね。

次は中級。アメリカ社会における大麻の位置づけを知らないと、ピンとこないかも。

即席ブラウニーの箱の横に、「大麻取り締まり法案の改正(つまり大麻を合法化しようということ)を!」の表示が。大麻入りブラウニーというものがあるのです。

最後は上級編。

この本の表紙のハニティという人は保守派のコメンテーターで、リベラル派からは蛇蝎のように嫌われてます。 Douche というのは日本では一般的でないかもしれないけど、用途については Wikipedia をどうぞ。さらにスラングで douchebag というと非常に悪い意味。傲慢で腹立たしくてならない男性を指します。これだけの基礎知識を持ってこの写真を見直してみると、何が可笑しいのか理解できますね?ちなみにこの写真を拝借したリベラル系ニュースサイト Huffington Post の人気投票では、この写真が堂々の一番人気でした。

ヒラリーの初外遊

新国務長官ヒラリー・クリントンの初外遊先がアジアだというので注目を集めているようですが…

ネットで見る日本の報道では「ヒラリー、日本へ」というイメージを受けますが、アメリカでの報道は「ヒラリー、中国へ。ついでに日本とか韓国とかも行きます。」という感じですね。日本はアメリカにとっては電化製品とトヨタの国。政治上は安全パイ過ぎるのでしょう。
Read more

Yes We Can 2

昨日の記事の題にも使ったYes We Canはオバマキャンペーンのスローガンの一つであるが、選挙の話題の続きをもう少し。

家人は家にいるときはずっとFMラジオでクラシックをかけているのであるが、シカゴ地域に住んでいた頃はWFMTという局だった。この局で比較的よく放送していた作品にAaron CoplandのLincoln Portraitがある。日本ではそれほど聞く機会がないかもしれないが、第二次大戦中に作曲されたいわゆる愛国音楽で、リンカーン大統領の演説がナレーションとして入る。アメリカでは各州それぞれ「お国自慢」があるが、シカゴの位置するイリノイ州の第一の自慢は、何と言っても「リンカーン大統領」であろう。厳密にはリンカーンが生まれたのはケンタッキー州であるが、政治活動の本拠地はイリノイ州だったから、リンカーンと言えばイリノイ、ということになっている。イリノイ州の自動車のナンバープレートにはリンカーンの顔がついており、州の標語は、ずばり、Land of Lincolnである。(逆に言えば、他に自慢するものがないからとも言えないこともないが。)
Read more

Yes, we can!

大統領選挙が終わって24時間、投票日前からオバマの圧勝が予想されていたものの、本当に終わってしまうと何だかしみじみとしてしまうものである。もちろん新政権にとって本当の課題はこれからであって、不況、戦争、巨大な財政赤字、国民健康保険、クリーンエネルギーの促進など、問題は山積みである。オバマ自身、「再起への道は長く険しい」と警告しているが、新大統領の手腕と情熱が問われる。
Read more

Saturday Night Live

サラ・ペイリンがマケインの副大統領候補としてマスコミに登場したその日から、誰もが「このタレントに似ている!」と指摘したのがティナ・フェイ。長らくSaturday Night Liveのレギュラーをつとめたアメリカでは人気のあるタレントである。現在は別の番組に主力を注いでいるため、Saturday Night Liveのレギュラーではないのだが、ペイリンの登場以来Saturday Night Liveでペイリンの物真似をし、これが爆発的な視聴率の増加につながった。
Read more