ツアー7日目。ここから丸二日間、トゥールーズの市内のオルガンを、ほぼ徒歩で回る。(ツアーバスで移動したのは一回だけ。残りはすべて、旧市街の狭い範囲内に。)移動がないということで同居人は大喜び。早速寝坊を決める。
まずは Musée des Augustins へ。ここは元はアウグスティン会派の修道院だったが、フランス革命期に最後の修道士たちがここを去り、現在では美術館。しかし建物は修道院のままなので、回廊、中庭などがそのまま残っている。
外観
中庭
回廊
オルガンは修道院付属の教会だった部分にある。
このオルガンは近年に新しく建造されたもの。いちおうドイツ風のオルガンなのでバッハの Schübler Chorales から Ach bleib bei uns, Herr Jesu Christ (BWV 649) を弾く。
次は徒歩でトゥールーズの大聖堂の付属チャペル、 Chapel de Sainte-Anne へ。
大聖堂外観
Chapel de Sainte-Anne
ここも新しく建造されたオルガン。こちらはイタリア風。
短いリードが手前にある。調律が楽だ!
ちょっと変わったペダルボード。
チャペルの中にあった張り紙。「教会のために、お金は空から降ってきません。」と、わりと身も蓋もなく寄付を呼びかけるポスター。
イタリアンな曲は用意して来なかったので、ここで弾いたのは Sweelinck の Unter den Linden の最初の二曲。
適当にお昼を食べて、午後は別の教会で集合ということで、どこからともなく現れた同居人(伝書鳩なみの帰巣本能の持ち主)と安いベトナム料理屋(ほとんどテイクアウト専門と思われる)でベトナム春巻きと焼き飯の昼食。
パイプオルガンにドイツ風とかイタリア風とかあるんですか。
トゥールーズはあの辺りでは大都市らしいですが、旧市街は歩いて回れる規模なんですね。時間があれば行ってみるかも。
パイプオルガンは私も一度生で聴いたことがあります。ラヴェンナのサンヴィターレ教会。夜のコンサートだったのでオルガニストは上の方で見えませんでしたが、パイプオルガンだったと思います(^^;
地域によって音の好みが違うようです。オルガンの先生の談によると、これは教会の建築法とも関係があって、石造りの教会とレンガ造りの教会では共鳴の仕方が違うから、それぞれのスペースに合わせた発達を遂げたのだということでした。
トゥールーズはエアバス社の本社所在地ということで、航空や宇宙開発のハイテク産業都市のイメージで売りだそうとしていますが、なにせフランスはパリに一極集中ですから、それに比べるとほんとうに小さな都市です。
オルガン・コンサートはオルガニストが見えないことが多いですよね。最近は会衆から見える位置にオルガンコンソールを置いたり、コンソール付近にカメラを入れてスクリーンに映し出したりするコンサートもあるそうですが:)