ツアー10日目、最終日。午前中はまずボルドーの Saint Croix へ。有名な Dom Bedos のオルガン。
Month: July 2014
Southern France Organ Study Tour – 17
Auch の後は、ワイナリー見学。バスツアーなので「はい、乗ってください」「はい、下りてください」とあなた任せで、どこのワイナリーだったのかよく分からないのだけど(笑)、ソーテルヌワインのワイナリーだった。
ワイナリー。宿泊もできるらしい。(予算の関係上、ここには泊まれず。)
最近の看板はフランス語、中国語、英語ですよ!中国人の金持ちがワインをせっせと買ってるとのこと。
まずは工程見学。これはワインプレス。上からプレスが下りてくるのではなく、下の受け皿が上がるのだそうだ。知らなかった。
発酵タンク
樽の中で寝かせてワインになる。
この後、ソーテルヌワインを試飲させてもらった。
この晩はボルドー泊。到着したのが遅く(9時過ぎてた)、おまけにキリスト昇天祭の祝日、ホテルがボルドーのあまり賑やかでないあたり(メインの市街と川を挟んで反対側)だったこともあって、夕食を探すのに一苦労。最初に入ったパブでは、 「食事」と確認した上で座席に案内され、かなり長時間待っていたら、ウエイターが「そこでは食事は出せない、そこはドリンクだけ」と言われて激怒。隣のイタリアンのチェーンレストランで手を打つ。
Southern France Organ Study Tour – 16
ツアー9日目、トゥールーズを後にする。
この日はキリスト昇天祭の祝日で、当初の予定では Auch の教会でミサに出る予定だったのだが、ミサの時間が分からないとのことで午前中は自由行動、昼前にトゥールーズを出発して Auch で昼食(スーパーで買ったサンドイッチ支給)、午後に教会・オルガン見学となる。
Auch の大聖堂、 Cathédrale de Sainte-Marie。外壁を修理中。
教会の裏手は谷あいの村を一望できる展望台になっていたが、ここも工事中。 Auch はローマ時代から続く古い土地で、このあたりではちょっとした観光地らしい。午後の拝観は2時からというので、それまでぶらぶらと街並みを見て過ごす。
ここの祭壇近くの choir organ は非常によく原型をとどめた Cavaillé-Coll 。ちょっと見た目にはオルガンのコンソールとは分からない。
祭壇を正面から見たところ。祭壇の上にパイプがあるので、オルガンがあることがわかる。コンソールは右側。祭壇の裏側は非常に美しい grand choir (入場2ユーロ)。ここの教会は非常によく手入れが行き届いているように見受けられたが、観光収入が多いのだろうか。
メインのオルガンはフレンチ・クラシック。
オルガンのふいご
このオルガンが1994年に再建されたときに、1956年に取り付けられた Barker machine が取り外されたそうだが、それがロフトの上に残っていた。これは鍵盤を軽くするために考案されたもので、Cavaillé-Coll にはよく付いている。
ここで弾いたのは Titelouse Magnificat の第6曲。ここは仕様書には a1=392Hz となっているけど、435あたりに聞こえたのだけどな。
Southern France Organ Study Tour – 15
この日の晩は、ロマネスク様式の代表的建築である Basilica of St. Sernin へ。現地でツアーの面々と落ち合うことにしていたのだが、夕方から小雨が降り出し、肌寒い夜に。しかも「現地で落ち合う」と言っても、巨大な教会なので、出入口がいくつもある。教会正面扉の前は、雨宿りのホームレスや、いちゃつく若いカップルが占拠。教会の中からはオルガンの音が聞こえていたので、約束したオルガニストが教会内にいることは間違いなかったのだが、彼がいったいどの出入口から出てくるのかがわからず、結局、何箇所かに別れて待つことになる。
St Sernin の鐘楼
ようやくオルガニストが出てきて無事に教会内に入れたが、この日は Ascension (キリスト昇天祭)の前日で、翌朝のミサに備えて sacristan ( 日本語は聖具保管担当者?要するに教会の用務員さん)が祭壇の掃除に余念がなく、どうやらわたしたちのことを自分の仕事の邪魔をする闖入者とみなしたらしく、照明を暗くしてみたり、わざと(?)延々と掃除してみたり。
祭壇
回廊も広く、とにかく巨大な教会。こんなに広いのは、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼経路にあり、巡礼たちがここに寝泊まりしたからだそうだ。
ここのオルガンは Cavaillé-Coll。コンソールはなぜか小さな部屋のようになっており、入り口を閉じれば中で昼寝をしていても誰にも気づかれない!
オルガニストが「ここのオルガンは Widor や Vierne の派手な曲が似合います」と言ったせいか、次から次へと賑々しい演奏が。わたしは最後の方だったので、「賑やかな曲はもう打ち切り。ここから後の人は静かな曲を弾いてください」とのことで Dupre の Magnificat 第5曲を。昼間に第6曲を中断したから、それを弾きたかったのだけど。
Southern France Organ Study Tour – 14
午後は L’église Notre-Dame la Dalbade へ。ここのオルガンはフランスを代表するロマンティックオルガンの一つ、 Puget の手になるもの。
オルガンとコンソール。ここに立っているのは、ここの教会のオルガニスト。
ここで弾いたのは Dupre の Magnificat の第1曲。(結局このツアー中、 Dupre と Titelouse でほとんど回したことになる。)
***だんだん疲れてきましたね。一日に3つも4つも教会回るのはやっぱりちょっと多すぎる感じ。***
ここから遠くないジャコバン修道院跡にトマス・アクィナスの聖遺物(遺骸)があるというので、ホテルへの帰り道に覗いてみる。現在は博物館らしいが改修中で、トマス・アクィナスは勝手に入って見られる状態。
ジャコバン修道院跡
トマス・アクィナスの墓所
ホテルに向かって歩いていると、モルモン宣教師に「中国人ですか?」と声をかけられる。向こうはどうやら中国系。フランスの地方都市で中国系のモルモンに声をかけられるというのは、これまでのヨーロッパ旅行ではかつてなかった新しい経験。
Southern France Organ Study Tour – 13
ツアー8日目、トゥールーズ二日目。
この日も前日同様、4つのオルガンを巡るはずだったのが、朝一番に予定されていた L’église Notre-Dame du Taur が「オルガンロフトの鍵が行方不明で、ロフトに入れません。」!
何これ?
なんでも、セキュリティのアップデートか何かでオルガンロフトの鍵を付け替えたのだが、その新しい鍵を誰も受け取っていないので(???)オルガンにアクセスできないとのこと。この週末にそこでコンサートをする予定のオルガニストも練習できず困っています、とか。司祭が日曜日のミサをすっぽかして帰ってしまったり、オルガンロフトの鍵が行方不明になったり、はたまたツアーバスの運転手はあちこちで迷子になったり、とそれに比べるとアメリカというのはなんときちんとした国なんだろう。(日本なんか、もう人間の能力の限界を越えてますね。)
ということで、最初の教会がキャンセルになったので、午後に予定されていた教会2つのうち、Church of Gesu は午前中に来てもいいということだったので、そこに向かう。実は前日の Temple du Salin のすぐ近く。
Church of Gesu は19世紀後半に建てられた教会だが、当時の懐古趣味を反映して内部はネオゴシック様式。
柱など丹念に装飾が施されている。ここにはルルドの洞窟を模したチャペルもあったのだけど、写真を撮り忘れた。
外周をぐるりと回廊が取り囲む。この回廊の一角には当地のオルガン協会の事務局も。
ここの座席は背もたれが移動して、前向き(教会用)にも後ろ向き(オルガン・コンサート用)にも座れるようになってる。賢い!
オルガンとコンソール
ここのオルガンは Cavaillé-Coll なのだが、ペダルのレンジが狭く、Dupre の Magnificat の第6曲を弾こうと思ったのだけどペダルが足りなくて断念。
午前中の予定を終えて大通りを歩いていると、マーケット (Marché des Carmes) を見つける。
肉屋の前でお行儀よく待つワンコ
マーケットの周辺にはたくさんレストランがあり、そのうちの一つでお昼の定食を。10ユーロちょっとで肉と野菜たっぷり。この旅行中でいちばん満足したレストランだった。
Southern France Organ Study Tour – 12
昼食後同居人はまたどこかへ姿を消した。午後の教会への道すがら、公園の中を抜ける。
街灯にこんな蝶々が
市内はいかにもヨーロッパらしく、どこでも歩いて行ける距離。
午後の一番は今回のツアーで唯一のプロテスタントの教会、 Temple du Salin。
オルガン。ここも最近建造されたもの。フランス風だけど、最近のオルガンだけあって、もっと versatile な感じ。
ここは時間が限られていたので、わたしは弾かなかった。
次はツアーバスに乗って、トゥールーズ市街の外れにある L’église Sainte-Marie Madeleine de Lalande へ。ここでも教会の前に通じる細い道にバスが入れず、一帯に大渋滞を引き起こした挙句、最後は大通りでバスを下りて教会まで歩くことになる。
ここは外観はこの地方に特徴的な鐘楼が残っているが、教会の本体は火事で焼け落ちて、近年再建されたものとのこと。
火事(1961年)と再建(1966年)の経緯を伝える銘。
ここのオルガンも最近のもの。南ドイツ風とのこと。
ここでは Sweelinck の Unter den Linden を全部弾く。
夕食は各自ご勝手にとのことで、ホテルの近くのピザ屋へ。
Southern France Organ Study Tour – 11
ツアー7日目。ここから丸二日間、トゥールーズの市内のオルガンを、ほぼ徒歩で回る。(ツアーバスで移動したのは一回だけ。残りはすべて、旧市街の狭い範囲内に。)移動がないということで同居人は大喜び。早速寝坊を決める。
まずは Musée des Augustins へ。ここは元はアウグスティン会派の修道院だったが、フランス革命期に最後の修道士たちがここを去り、現在では美術館。しかし建物は修道院のままなので、回廊、中庭などがそのまま残っている。
外観
中庭
回廊
オルガンは修道院付属の教会だった部分にある。
このオルガンは近年に新しく建造されたもの。いちおうドイツ風のオルガンなのでバッハの Schübler Chorales から Ach bleib bei uns, Herr Jesu Christ (BWV 649) を弾く。
次は徒歩でトゥールーズの大聖堂の付属チャペル、 Chapel de Sainte-Anne へ。
大聖堂外観
Chapel de Sainte-Anne
ここも新しく建造されたオルガン。こちらはイタリア風。
短いリードが手前にある。調律が楽だ!
ちょっと変わったペダルボード。
チャペルの中にあった張り紙。「教会のために、お金は空から降ってきません。」と、わりと身も蓋もなく寄付を呼びかけるポスター。
イタリアンな曲は用意して来なかったので、ここで弾いたのは Sweelinck の Unter den Linden の最初の二曲。
適当にお昼を食べて、午後は別の教会で集合ということで、どこからともなく現れた同居人(伝書鳩なみの帰巣本能の持ち主)と安いベトナム料理屋(ほとんどテイクアウト専門と思われる)でベトナム春巻きと焼き飯の昼食。
Southern France Organ Study Tour – 10
午後はトゥールーズ近くの Cintegabelle という小さな村へ。観光化された Carcassonne と違って、畑の広がる田舎。午後も雨が降り続く。
目的地は L’église de la Nativité de la Sainte Vièrge。ここのオルガニストは若い人で、すごく親切だった。
オルガン
教会の中
ここはメインのフレンチ・クラシックのオルガンの他に、新しく制作されたポータブルの小さなオルガンもあり、それも見せてもらった。
(この箱の中にすべてのパイプが収まっており、反対側には鍵盤がついている。)
教会の中に掲示してあったオルガンを祝福する祈祷文(右側)。新しくオルガンを建造したり、大掛かりな改修をしたりした時は、必ずオルガンを祝福する典礼が持たれる。
ここもフレンチ・クラシックペダルボード。ピッチは真ん中のAが392 Hz で、現代の一般的なピッチよりも丸一度低い。ここではペダルに挑戦するために Titelouse Magnificat の第1曲。
この日から三泊、トゥールーズ。ホテルにはレストランがないので、近くのイタリアンへ。
実はホテルに到着するまで、ちょっとした冒険だった。このツアーバスの運転手はあまり下調べをしないのか、使っている地図が悪いのか、GPSが悪いのか、とにかくよく迷子になる。この日、ホテルを見つけるまでトゥールーズ市内で一苦労。ゴミ回収のトラックの運ちゃんに道を尋ね、最後は運ちゃんらが先導してやるということになり、それについて行ったものの、路面電車の走る道で小回りがきかず、大渋滞の元に。最後はなんとゴミ回収トラックの運ちゃんが路面電車を止め(!)、その指示で路面電車の線路を乗り越えて反対車線に迂回。ドイツやオランダだとこういう融通は利かなかっただろうな。
Southern France Organ Study Tour – 9
ツアー6日目、月曜日。せっかく地中海に面する港町 Port la Nouvelle に泊まったのに、お天気は今ひとつ。
この写真では雨は降ってませんが、朝焼けは雨の予兆との言い伝えどおり、この日は雨のしのつく肌寒い一日に。
午前の目的地は中世の面影を残す城壁都市 Carcassonne。ここは一般のツアーでもよく行くところで、さすがに標識だの駐車場だの、非常によく整備されていた。
城壁に沿って
街並み — よく保存されてはいるが、完全に観光向け
目的地は Basilique Saints Nazaire et Celse のフレンチ・クラシックオルガン。
暗くてうまく写真が撮れない。
ここはこれまでに訪れたどこよりも教会がよくメンテされていた。それだけ観光収入が潤沢なのだろう。その代わり、オルガンを弾いている間も観光客がひっきりなしに。遠足(?)らしき子供の団体も多かった。
祭壇とステンドグラス
ここで弾いたのは Titelouse の Magnificat の第5曲。短い曲なのでいくつか違ったレジストレーションを試す。ペダルはフレンチ・ペダルボード。(こういうやつ)
本来の予定ではこの日はお城を眺めながら外でピクニックということだったけど、雨のため断念。適宜カフェにでも入って食べてください、ということで、あまりお腹も空いてなかったからランチはスキップ。