災害保険

今回のハリケーンアイリーンは東海岸の人口密集地帯を北上して、各地で大騒ぎになったのだが、うちは遠く離れているのでハリケーンは全く関係なし。でも、「地下室浸水」とか「強制避難区域指定」とかいうニュースを見て、これまでの経験上、いくつか思ったことを。なにしろオマハに引っ越してきた一年目の夏は、猛烈な雷雨で何度か保険のお世話になったので。

Q: 暴風で木の枝が折れ、車を直撃し、車体が壊滅状態。これは保険でカバーされますか?
A: Comprehensiveと呼ばれる車両本体をカバーする保険に入っていれば、カバーされるはず。対人、対物しか入っていなければカバーされない。

Q: 木の枝が折れ、庭に散乱しています。幸いなことに家屋に損傷はありません。庭の片付けの費用は保険でカバーされますか?
A: 家屋に損傷がなければ、片付け費用は保険でカバーされないのが普通。木を植え替える費用などもカバーされない。(このシナリオは自分の家で経験済み。)逆に木の枝が折れて屋根に落ち、屋根を修理しなければならない場合は、その枝を除去しないと作業ができないので、屋根修理費用のみならず除去費用もカバーされる模様。フェンスの損傷も普通はカバーされる。

Q: 停電のため不便なので、ホテルに泊まりました。ホテル代は保険でカバーされますか?
A: 停電だけでは住居が居住不可能になったわけではないので、普通ホテル代はカバーされない。(これも自分で経験済み。)火事や浸水で居住不可能になった場合は、家が居住可能な状態になるまでの費用はカバーされる模様(保険の契約内容にもよる)。しかし、市が無料で避難所などを提供している場合は、避難所に行くという選択をせずにあえてホテルに泊まったということで、保険でカバーされない可能性もあるかも。ただし停電のために冷蔵庫の中の食品が腐った場合、その費用は保険でカバーされるらしい。(でも、食品の値段の合計は保険のdeductibleに満たないことが多いので、被害が冷蔵庫の食品だけならあまり意味はない。)

Q: 来年以降、保険の掛け金は上がりますか?
A: 上がると思っておいた方がショックが少なくてすみます。(これも経験済み。でも、その保険会社は、実際保険の支払いが必要なときに、手早く割と気前よく小切手をくれたので、保険会社を変更して対応が悪くなるのも嫌なので、会社を変えずにいる。)

リファイナンスしようかな

モーゲージ(住宅ローン)のレートがここ50年で最低だとか。2年前に30年固定のレートが5%を切ったときにリファイナンスしたので、ちょっとやそっとのことでは食指が動かなかったのだが、5/1 ARMで2.75%などというのを見てしまったので、ちょっと胸がドキドキ。最近の頭がクラクラするようなマーケットを見ていると、windfallを安全に運用する場所というのが思い浮かばず、それならモーゲージを何とかできないかと考えたのが事の始まり。世間一般ではサブプライム危機以来30年固定信仰がものすごく強くなり、ARMを借りるのは危険すぎるという声もあるが、2.75%という数字が気になっていくつかのシナリオで計算してみた。最初のローン額は適当。グラフをクリックすると大きくなります。

シナリオ1(赤線 実線は支払った利子の合計、点線はローン残高)
現状
年利5%、30年固定で200,000ドル借りたとすると、月々の支払い額は1,073ドル、30年間に払う利子総額は186,511ドル。

シナリオ2(オレンジ線)
Windfall(棚からぼたもち)
ここで5年目にボーナスとか宝くじが当たったとかで思いがけず100,000ドルが手に入ったとする。
元のローンに一度だけ追加で90,000ドル(その時点でのローン残高の約半分)払うと14年でローン完済、その間に払う利子総額は71,059ドル。

シナリオ3(青線)
リファイナンス
しかしその90,000ドルを追加してローン残額を減らし、残りの部分を2.75%でリファイナンスすると借り換えたときのローン額は約94,000ドル。
月々の支払いは383ドルと非常に少なくなるが、完済するのは(最初から勘定すると)35年後、その間に払う利子総額は92,208ドル(これは2.75%の年利が続くとしての計算)。ただし月々の支払いを低く抑えて、残ったお金を投資に回すとすれば、(最初の5年は)2.75%を上回るリターンを出せば「勝ち」なので、これは達成できない目標ではないはず。リファイナンス後5年くらいで引っ越す予定ならARMのリセットは心配ない。

シナリオ4(緑線)
リファイナンスするが、毎月、前と同じだけ払い続ける
毎月、以前と同じ1,073ドルを払い続ければ借り換え後8年(最初から計算すれば13年)で完済、利子総額は最初の5年間と借り換え後の合計が59,105ドル。たとえ5/1 ARMでも、5年目に利率がリセットするときの残高は39,000ドル程度なので、利率が低ければローンを続け、高ければその時点で完済することも不可能な額ではない。

実際はこれに税金だとかリファイナンスの費用とかが入ってくるので、この数字だけで比べることはできないが、まあ大雑把なところとしてはこんなものだろう。

シナリオ2と4を比べると、利子総額の差は1万ドルくらいだが、リファイナンスした場合、最低支払い額がうんと低くなるので、キャッシュフローにフレキシビリティが生まれるのは魅力。(それを無駄遣いしなければ、の話だけど。)5年後に引っ越すつもりなら、シナリオ3に従って余剰のキャッシュフローをせっせと貯蓄して次の家の頭金を貯め、ずっと住むつもりならシナリオ4に従って、5年後完済を目指すというところか。「5年後に引っ越すつもりなら、余計なことせずにwindfallをじっと持ってたらいいじゃない」という考えもあるだろうけど、今のCDやセービングの利率でキャッシュをじっと持ってるというのは、それはそれで忍耐力が要る。貯蓄(キャッシュ)が減ると、「また貯めなきゃ」という意欲が湧くという理由もあるし。

Storm!

中西部、とくにこのあたりのプレーリー(「大草原の小さな家」の「大草原」とは「プレーリー」のこと)は夏は暑く、冬は寒く、竜巻や猛烈な雷雨に見舞われる土地柄である。これまで一番ひどかったのは、オマハに引っ越して来て1年目の夏(2008年)で、市内に竜巻がタッチダウンしたり、竜巻ではないがハリケーン並みの暴風が吹き荒れたりで、うちの庭も大きな針葉樹を含めて、何本かの木を失った。それでも近所では、大きな木の枝が屋根に落ちて、屋根を建て直さなければならなかった家も何軒か見かけたから、それに比べればうちは外壁が雹でへこみ、屋根のシングルが少々飛ばされ、電線が切れた程度で被害としてはマシな方だったと言える。

暴風雨が吹き荒れると面倒なのは停電することである。日本では電力需給の問題で停電の恐れがあるというだけで大騒ぎのようだが、アメリカでは何の予告もなく本当によく停電する。自家発電を持たないスーパーは、停電すると生鮮商品の適切な保管温度が保てないので閉店する。(キャッシュレジスターも動かないだろうし。)家の電動ガレージドアも動かない。昔メリーランドに住んでた頃、冬の最中にアイスストームで停電して、オール電化の家だったので寒くてたまらず、空室のあるホテルを見つけて泊まりに行ったこともある。シカゴは停電が多かっただけではなく復旧も遅く、夏場に何日も停電して冷蔵庫の中身がバーということが何度かあった。

暴風雨の直後は、近所のHome Depotであっと言う間にチェーンソーと簡易自家発電機が売り切れる。日本に住んでいた頃は自分の家にチェーンソーを常備することになるとは想像だにしなかったが、このあたりではチェーンソーは家のメンテナンス上、芝刈り機、除雪機並みの必需品なのである。

夏の停電は、それでも嵐の過ぎた翌日は爽やかな晴天が広がるし、日も長いので、あまり陰鬱な気分にならない。いちばん嫌なのは冬の停電である。うちは暖房の燃料はガスだが、温水を循環させるためのポンプは電動である。温水器もうちは瞬間湯沸かし機なので、電気が必要。冬に停電が続いて家の温度が下がると、水道管が凍る恐れがあるのが一番困る。日も短いから、一日中、寒くて暗闇の中にいるような気分で、ますます気がめいる。

さて昨日の暴風雨では、うちは停電だけで大きな被害は免れた(空港ではパイロットが頭に雹を受けて重傷だそうだ)が、真っ暗闇の中のロウソクの灯の明るさというのは、不思議と人の心を暖かくする。ロウソク一本ずつ、二つの燭台に点して、同居人と一つずつ使ったのだが、けっこうロウソク一本の灯で本が読めるくらいの明るさがある。燭台を持って家の中をうろうろすると、ちょっとディケンズの登場人物になったような感覚が味わえる。

夜10時頃から近くでチェーンソーの音が響きはじめ、「あ、これはもしかすると、電力会社の復旧部隊が近くに来たのかな」と思っていると、11時に電気が復旧。かくしてつかの間のディケンズごっこは終了したのだった。

グリーンカード更新

大昔のグリーンカード(永住権身分証明書)は無限に有効だったらしいが、いつの頃からか10年ごとに更新しなくてはならなくなった。(永住権そのものが切れるわけではなく、証明書の期限が切れるだけ。でも、「移民ステータスの証明を求められたら、提示しなければならない」と法律で決まっているので、期限が切れたまま放置しておくと厄介なことになる恐れがあるらしい。アメリカ国外に旅行もできなくなるし。)

何年か前までは、グリーンカードの更新といえば、移民局の管轄区によっては、朝の4時か5時から行列して順番を取らないといけなかったらしい。その上、カードに貼る顔写真の向きやサイズが規定に合ってないとか、指紋がちゃんと取れてないとかで「出直し」になることも稀ではなく、とにかく移民関係の手続きというのは難行苦行、膨大な時間の無駄という心構えをして出かける必要があった。これが変化してきたのは、この十年ほどのことだろうか。10年前、わたしがグリーンカードの申し込みとした当時はちょうど移行期で、申し込み用紙は移民局のサイトからダウンロードできるようになってはいたが、オンラインでの申し込みはまだ出来なかった。当時、移民局で配布されるグリーンカードの正式の申し込み用紙はカラーの紙(一枚目は緑、二枚目はピンク、とかそんな感じ。順番忘れたけど。)に印刷されており、コンピューターでダウンロードして白い紙に印刷して提出したら受け付けてもらえなかったとか、そういう時代だったのである。(その後、「書類記入上の注意」に「白い紙に印刷しても有効とする」と規則が修正された。)

移民局の気に入るように写真や指紋を準備するのは容易ではなく、「どこの写真屋が上手だ」とかそんな情報がまことしやかに流布していたのだが、「そんなに文句ばっかり言わんと、何で移民局(もしくは移民局指定の業者)で写真を撮れへんねん」という声があまりに大きくなったのだろう、現在は写真も指紋も指定された移民局オフィスで採取するという、しごく常識的なラインに落ち着いている。

ということで、7月末に移民局のサイトからオンラインで更新申し込み(手数料お支払いはクレジットカード、締めて450ドル也)をしたら、一週間ほどで指紋/写真採取の予約の手紙が来た。指定された時間に移民局のオフィスに行って、10分ほどで指紋と写真を取って、現在のグリーンカードに有効期限延長のシールを貼っておしまい。過去の経験から、少なくとも半日は潰されることを覚悟していったので、やや拍子抜けだった。

いくつか気がついた点。

  • 移民局の建物は空港のすぐ近くにある。これは、気に入らんヤツはすぐに飛行機に乗せて国外に追い出すためなんだろうか?(ツイッターによると、カンザスシティーもヒューストンも空港の側らしい。最近のトレンドか?)
  • ものすごく大きな建物なんだが、オマハにこんな大きなオフィスが必要?建物も新しいし、Department of Homeland Securityは予算がなかなか潤沢のようだ。
  • オフィスで記入する用紙に目や髪の色を申告する欄があるのだが、「髪の色」に「禿頭」という選択肢があった。

オーランド

その団体が主催する学会に出席しなければならないという条件の付いたグラントを頂いているので、真夏のオーランド(フロリダ、ネズミーワールドのあるところ)に行ってきた。アメリカに20年近く住んでいるが、フロリダにはあまり縁がなく、実は行くのは2回目、それも前回もオーランドだった。

オマハの空港はどこに行くにもほとんど直行便がなく乗り換えないといけないという不便はあるが、小さな空港にはそれなりの特典がある。すなわち国際空港ですらない弱小空港なので、セキュリティの列がいつも短いという点。(アメリカの空港はかなり小さなところでもカナダかメキシコへの直行便が出ていれば立派に「国際空港」である。)今回、行きはメンフィス経由、帰りはシンシナティ経由。

さてメンフィスの空港は初めてだが、思ったよりクタビレた感じの空港だった。メンフィスといえば天下のFedExのお膝元。もっと近代的なパリッとした感じの空港かと思いきや、何だか古い建物に表面だけ新しいドライウォールを貼付けたような感じ?しかしここでの乗り継ぎがちょうどお昼時だったので、空港内の出店のバーベキュー屋でテイクアウトのバーベキューを買ったのだが、これは今回の出張の中で秀逸の選択であった。注文してお金を払ってしまってから、次の人がアイスティーを注文するのを聞いて、しまった、わたしもアイスティーを頼めばよかったと後悔したが、面倒なので我慢することにした。メンフィスはサウス(南部)なので、「アイスティー」というと「砂糖入り」と「砂糖なし」を自分の好きな割合に混ぜたものを注文できるのである。

無事に昼食を確保した後、テイクアウトの容器の中からバーベキューソースのにおいをプンプンさせながら、オーランド行きの飛行機の乗り口に。わたしの中ではフロリダというのはあくまで冬の観光地で、真夏の蒸し暑い時期なんか閑古鳥が鳴いているのだろうと思っていたら大間違い。ゲートの周りは荷物を抱えた家族連れでいっぱい。(最近荷物を預けると追加料金を取られるので、なるべく皆、手荷物にしようとする。)資本主義の総本山に家族総出でお参りして、お布施をほどこし、アメリカ国の経済成長に貢献しようという模範的愛国市民の姿を見る思いがした。

小さな子供連れを満載した飛行機の機内は、期待を裏切らない阿鼻叫喚の巣であった。こちらもいちおう、元小児科医であるので、子供の叫び声はあまり気にならないし、その上、いつでもどこでもどんな状況でも寝られるという特技を持っているので、バーベキューを満喫した後はお昼寝体制に。しかしこれは高々1時間ちょっとのフライトだったからいいようなものの、国際線でこういう騒然としたフライトだと、やはり辛いものがあるだろう。

空港からシャトルバスで会場のホテルにたどり着き、帰る日まで一歩も外に出ることはなかったのだが、それにしても夏のオーランドは蒸し暑い!何度か夕立が降ったみたいだが、夕立の後、涼しくなるのではなく、ますます湿気が上がるだけのようだ。バスの窓から見える不動産の広告はいつのものだろう?

ホテルの中は何もかもが素晴らしい観光地値段。インターネットが一日14ドル(税、サ別)!?学会会場の中には、いちおう無料WiFiが飛んでいたが、キャパシティーオーバーのようでつながらない。結局滞在中使ったのは、iPhoneの3Gばかり。FedExで別送したポスターを受け取りに行ったら、「ホテル内オフィスでの受け取りのための特別手数料」$10を追加で徴収された!(送料は既に払ってあるのに。)

普段テレビを見ないので、ホテルに泊まるとテレビが新鮮なのだが、ESPN(スポーツ専門チャンネル)ばかり5つ以上あるくせに、Comedy Centralが入っていないとかいうとんでもない選択肢しかなかったので、これもほとんど役に立たず。

とかなんとか文句は言いながらも、大昔の知人に再会したりとか思いもよらない収穫もあったので、まあこんなものかと。

それにしても、オーランドで学会をするのはやめてほしいものだ。ネズミー軍団に囲まれて飛行機に乗るのは辟易。帰り、家族連れ満載のセキュリティラインというものを初めて経験したが、あんなに時間のかかったのは初めて。小さな子供を連れてセキュリティラインに並ぶ大変さを見れば、多くのアメリカ人が車でしか旅行しない理由もよくわかる。

Roth 403(b)続き

六月に人事から来たメールで、うちの大学でもRoth 403(b) が出来るようになったことは前に書いたけれど、うちは給料は月給制で、月の最後の平日に振り込まれるので、先週の金曜日が403(b)をRothに変更して初めての給料日。

さて、Roth 403(b)を始めて、何が変わったか?

結果:

  • 手取りが少し減った(予想通り)。
  • 給与明細の「今年のこれまでの403(b)拠出額合計」は、六月までの拠出額にそのまま足されている。(pre-tax contributionとafter-tax contributionで分けて書いてあるわけではない。)Pre-taxでもafter-taxでも、一年の拠出上限は$16,500で変わらないからだと思う。
  • わたしの403(b)はFidelityに入れてあるのだが、Fidelityの口座もpre-taxとafter-taxで分かれておらず、そのまま既存の403(b)に足してあるだけ。Roth 403(b)として別の口座が出来るのかと思っていただけに、ちょっと意外。IRAみたいにrolloverとかRothとか、全部別になると思っていたので。ただ、sourceのところを見ると、現在の残高の何パーセントがRothであるかは示されているので、いちおう不便はないはず。(でも本音を言うと、分けてほしい。今度時間のあるときにでも、分けられないのか聞いてみるつもり。)