仕事用に新しいMacBook Proを買ったので、家の古いiBook G4にLinuxを入れてみることにした。前からLinuxを入れてみたいとは思ってたのだけど、どうせ一発では完全に動かないだろうし、その間のダウンタイムがもったいないのでずっと見送っていた。今回は新しいMacBook Proがあるからダウンタイムの心配はなし。iBook G4のハードドライブをOS XとLinuxにpartitionし直して、完全にゼロからの再出発。(ところで新しい15インチのMacBook Proは大きさの割にあまり重くない。14インチのiBook G4の方がずっと重い。)
Specs:
- iBook G4 (Intel chipになる前のPowerMacの最終世代)
- CPU Speed: 1.33 GHz
- RAM: 768 MB
- HD: 60 GB
- No Bluetooth
- DVD-R
- 1 Firewire
- 2 USB
- Video card: ATI Mobility Radeon 9200
- 14 inch color LCD display
- Internal Modem
- Built-in Ethernet
- Airport Extreme
まずは古いデータをDVDにコピー。どうしても必要そうなものはGoogle Docsに上げ、それ以外のジャンクはコピーはするけれどコンピューターには戻さない。職場のデータはそういういうわけにはいかないが、わたしの場合、家のコンピューターのデータなんてその程度のものがほとんど。
データを完全にコピーしたことを確認して、いよいよ本番へ。
まずはiBookに付いてきたinstallation diskのdisk utilityを使ってHDをpartitionし、10GBをLinux用、残りをOS Xに分ける。あとは自動的にOS Xをinstallするだけ。これはあっという間に終わった。この際、ソフトウェアは無料ソフトに徹底することにして、Microsoft Officeは止め。次の日、職場に新生iBookを持って行って、OSのupdateや必要そうなソフト(OpenOfficeとかFirefoxとか)をダウンロードした。
LinuxにはUbuntuとかDebianとかいろんなフレーバーがあるが、今回は古いMac向けに特化したYellow Dog Linux (YDL)を選ぶ。他のフレーバーだと特にMacの場合、いろんな周辺機器のドライバーをいちいち探さないといけない可能性が高いが、YDLだとほとんどのものがその日から動くという。コツコツと「自分だけのシステム」をつくるのがLinuxの楽しみという話もあるが、こっちもそこまで暇じゃない。
以前はYellow Dog Linuxを扱うTerra Softという会社があったのだが、知らない間にFixstarsという日本の会社に買収されていた。ISOは同社からはダウンロードできず、残っているのはミラーサイトのみ。それも米国内ではArgonne National Laboratory、Oregon State University、University of Wisconsin-Madisonの三カ所がリストされているが、実際に外部からアクセス可能なのはOSUだけだった。
4GBの巨大ファイルをなんとかダウンロードし、DVDをつくっていざ開始!と思ったら、なんとこのDVDが読めない。このサイトの説明に従ってSHA1 checksumというのをやってみると、ダウンロードしたファイルが潰れてるらしい。家からダウンロードしても、職場からダウンロードしても、コンピューターを変えてみても、どうしてもちゃんとしたファイルがダウンロードできない。(Terminalを開けてポツポツとキーボードを叩いていると、何だか急に自分が賢くなったかのような錯覚に陥る。)
こういう時に役立つのがeBayである。Terra Softという会社は、もともとYellow Dog Linuxのinstallation diskを売っていたから、今でもこれを売ってるやつがeBay上にはいるに違いないと思って探してみたら、案の定、Buy it now!で$5で売ってた。
待つこと2週間、(何でこんなに遅いねん。良いフィードバック残してやらんぞ。)ようやく届いたinstallaion diskを入れる。ydl.netのマニュアルによるとinstall_ppc32というオプションがあるはずなのだが、それが見当たらないのでとりあえずinstallというオプションを選ぶ。
ydl6.2_apple_guide_commented
すると!
突然画面が赤、青、白、緑に点滅し始めた。
これもinstallationの一部なのかと思ってしばらく眺めていたが、一向に次に進む気配がない。本体のオンオフボタンをしばらく押し続けていたらコンピューターがオフになったので、次はinstall_textというオプションを選んでみた。
このオプションで一応installationは完了させることができたが、今度はrebootしたときにfirstbootに進まない。途中の設定を少しずつ変えてみたりして何度か試したが、どうしてもfirstbootに進めることができなかった。
このディスクも壊れてるのかな?もうどうでもいいや!と思って、もう一度installというオプションを選んでみると…
あら不思議、今度は何の問題もなくinstall出来てしまった。(最初のあれは一体何だったんだ?)
難なくfirstbootもクリア。しかし予想されていたことではあるが、このままではAirPort Extremeは認識されず、家のWiFi networkに入ることができなかった。
次の日、再びiBookを職場に持って行って、職場のLANに繋ぐ。(WiFiは動かないが、Ethernetは問題ない。何でいちいち職場に持って行くかというと、大きなファイルのダウンロードとかになると、家のネットワークは遅くてイライラするからである。)このページの説明に従ってAirPort Extremeの型式を同定し、b43-fwcutterというのをダウンロードし、Airport Extremeのドライバーをextractさせる。(というと何か大層なことをやってるように聞こえるが、実はこのページの説明をそのまま猿真似してるだけ。)
するとなんと驚いたことに、本当にWiFiが使えるようになってしまったのだった!
ここまで懇切丁寧な説明を書いてくれるくらいなら、最初からYDLのinstallation diskに組み込んでくれてもいいと思うのだが…林檎本家との知財の問題があるんだろうか?
残された問題点
- 日本語入力(これは日本語システムにしないといけないのだろうか?)
- キーボードマップ(右クリックをマップしたい)
- ペンギンシール(安く手に入らなければ、自分でマジックで描くというオプションもあり)
しかし、OS Xの美しいインターフェースに慣れてしまうと、Linuxのインターフェースは素朴に見えるね。

ログイン画面。ディスプレーの下にiBook G4とあるのが見える。

Yellow Dog Linuxロゴ