Healthcare Reform

「え〜、まだやってたの!?」という健康保険改革法案が、ようやくのことで下院を通過したらしい。

同居人はなぜかこの改革にひどく熱心で、上院で法案が滞っていたときにはネルソン上院議員(ネブラスカ、いわゆる保守派のDemocrat)のオフィス前にデモに行ったり、今回も地元の下院議員(Republican)のオフィスに電話をかけて、電話番のねえちゃんをいびり抜いたり、わたしなどから見ると、あまり有効なエネルギーの使い方をしているとは思えなかったのだが、まあこれでしばらく健康保険改革がらみの愚痴が減る見込みが出て来たのはありがたいことである。

このNew York Timesのまとめによると、改革の主眼は現在保険を持っていない人を救済することにあるわけだが、すでに保険を持っている人にもいくつか重要な変化があるとのこと。その一つがlife time limitの廃止。保険の効能書きを見ると、必ず1 million dollarsとか3 million dollarsとかというlife time limitが書いてあるが、日本と違ってアメリカでは本当にちょっとした病気になればmillion dollarsくらい突破してしまう。昔の同僚の子供が未熟児で産まれて、家に帰れるようになるまでに何十万ドルもかかったそうだが、こんな産まれてすぐにlife time limitを使い果たしてしまうような子供は、これまで一体どうしていたのか!?

しかし、銀行やクレジットカードの規制と同じことで、この法案が執行されるまでには保険会社は新手の抜け道を見つけ出してくることは間違いないと思う。

9 thoughts on “Healthcare Reform

  • March 22, 2010 at 12:09 am
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    MA州の皆保険、貧困ガイドラインの3倍以上の収入(4人家族で$66k以上)あると、ぜんぜん割引の保険に入れなくて、普通に民間の保険に入らないといけないんですよね。。。つまりほとんどのミドルクラスにとっては、あまり助けにもならない。 しかも州のサイトでその場合の保険料をみると、まともなカバーの保険は月$1500です。
    これに入らないと、ペナルティ払わされると。。。いくらだって言っていたかしら?年$900とかそんなんです。
    これを全国規模でやるつもりなのでしょうか?
    私も改革は望んでいるのですけれど、内容によってはちょっと心配です。
    ちなみにアメリカで子供を産めなかった理由のひとつはそれです。 病院が怖くて。^^;

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  • March 22, 2010 at 2:52 am
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    今NYTの記事読みました。subsidisedの保険に入れるのは貧困ガイドラインの400%(4人家族で$88,200)までのようですね。
    また微妙なところですねえ。 MAの300%よりはいいですけれど。
    失業で収入が低くなっている場合だったらともかく、自営業だったり、保険に入れないパートをいくつもしていたりで、夫婦合算でそれ以上の世帯収入になってしまうって人も結構いそうな感じがします。 

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    • March 22, 2010 at 10:01 pm
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      Cheeさん、

      アメリカではどんな保険に入っているかによって、出産費用とか全然違いますよね。わたしはずっと病院、大学関係しか勤めたとこがないので、他業種の職場から提供される健康保険の実態はよく知らないのですが、前の職場はベビーラッシュでした。聞くところによると、自分の勤めている研究所の親元である病院で出産すれば、費用はトータルで$150とのことでした!

      MAの場合、現在のStateの保険のガイドラインと、新しいFederalのガイドラインの間でちょっとややこしそうですね。新しい法案によると、Insurance Exchangeに入る場合、掛け金は収入(額面?AGI?この部分、不明です)の9.5%が上限らしいです。(Medicare taxは額面を元に計算するから、やっぱり額面なのかな?)

      高収入者はcapital gainに新たな税金が付いたり、ここまでざっと見たところでは、一番確実なのは、本当に健康保険が改革されるかどうかよりも、税制が一層複雑化すること、その一点だけのような気もします。

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  • March 22, 2010 at 1:22 pm
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    F Friesさんや同居人さんとはまったく違う意見かもしれないので、恐縮なんですが・・・。

    あ~あ、通ってしまったか、というのが感想です。建前は良くてもCheeさんが指摘されている通り、ミドルクラスが一番、負担が大きくなるでしょうね。保険料は値上がりするだろうし(オバマは下がるといっていますが、そんな訳はない)、医者に見てもらえる時間は短くなるし、手続きはますます面倒になるでしょうね。

    WSJのニュースでLifetime Limitに関しても、誰でも何十ミリオンでも医療費を使うことになったら、一部の人の超高額医療費のためにみんなの保険料がとんでもなく高くなると言ってました。本当にこれでいいんでしょうか?って感じです。

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    • March 22, 2010 at 10:38 pm
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      Nobuさん、

      この法案は、コスト削減のための本格的な取り組みをしていないという点は大きな欠点です。本当にコストを削減しようと思うなら、医療訴訟のみならず、どのような治療が本当に適切なのか、そういった抜本的な部分から取り組む必要があります。だけど、そういうことには皆、目を向けたがらない。今回も昨年「終末ケア」の問題が出た時点で、頭のネジのゆるい人が「death panel」とかわけのわからないことを言い出して、それがどんな結果をもたらしたかは周知の通りです。

      わたしは多くのアメリカ人(に限らないかもしれませんが)の医療に対する意識、期待というのは、「Death is optional」、このひと言に集約されていると思います。

      (元)医療プロバイダーとしての意見ですが、病気というのは医者が治すのではなく、患者の体が勝手に治すものです。医者にできるのは、せいぜいその手助けくらい。ヤブ医者というのは、患者の体の治癒力を妨げる治療をする医者です。だから正直なところ、どうして皆、あんなに医者にかかりたがるのか、不思議でもあります。

      もちろん血圧のコントロールとか、狭心症の治療とか、数十年前に比べれば格段に進歩した分野もありますが、多くの場合はあちらを立てればこちらが立たず、全く副作用のない治療なんてありません。

      だけど、ある治療法が本当に有効な治療法かどうか判断しようとすると、すぐに「医療の配給制だ」「社会主義だ」と罵られ、終末期に意味のない浪費をしなければ「姥捨てだ」と非難される。でも、そろそろ社会全体がDeath is inevitableだと気付くべきです。

      今日、健康保険、医療関連の株価が上がりました。おそらくMr Marketはすでに察知しているのでしょう。Life time limitがなくなっても、pre-existing conditionを理由にカバレッジを拒否できなくなっても、保険会社には抜け道はいくらでもあります。いちおうacceptableな掛け金で健康保険を売っておいて、実際その保険を使って医者にかかろうとしたら、「その治療は(勝手な理由をこじつけて)カバーできない」というのはこれまでも常套手段でしたし、これからもそうであり続けると思います。

      本当の医療改革には、医療に対する国民のリタラシーを上げることが必要です。

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  • March 23, 2010 at 6:37 am
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    うちは会社を通して満足のいくプランに入れたのは、7年間のアメリカ生活のうち最後の2年くらいでした。
    アメリカでは、あんまり病気を予防しようって感覚がないですよね。みんなやたら薬を欲しがるし。 あの肥満症もそうだし。。。借金体質との共通点を感じます。 何も考えないで、食べるだけ食べて、助けてくれ、薬くれって。
    我が家のような、ふだんから健康にも、家計にも気をつけて問題を起こさないように努力している中間層は、永遠に報われないように思えてきました。泣

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    • March 23, 2010 at 11:35 pm
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      Cheeさん、
      Foreclosureとか過剰医療とか、悪いことはメディアに取り上げられるので、あたかもアメリカ中が無責任の塊みたいに見えますが、大部分の人はそんなんじゃないはず。オマハのあたりでは実験用動物施設の世話係という低賃金労働者でさえ、自宅をfree and clear、ローンなしで所有しています。(彼女は喫煙者だから、健康の面ではちょっと無責任かもしれないけど。)
      前の勤務先では、健康保険のオリエンテーションのときに、いくつかの例(たとえば子供がいてしょっちゅう風邪をひくけれど、大きな病気はしない、とか、中年で持病があって、ずっと薬を飲み続けないといけない、とか)を引きながら、「こういうシナリオだと、この保険だと保険料はこれこれ、年間のout-of-pocketはこれだけになります」と説明してくれました。そこでようやく初めてアメリカの健康保険の仕組みを理解したような気がしました。

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  • March 23, 2010 at 9:59 am
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    「本当の医療改革には、医療に対する国民のリタラシーを上げることが必要です。」

    すっごく同感です!Congressよりも良いアイデアがあるわけではありませんが(それに選挙権もないし)、リテラシーをあげる努力とできるだけ分かりやすい制度(今でも複雑なのにもっと訳が分からなくなる)にして欲しいという気持ちです。でも、もしかしたらそれも分かっていて現状があるのかもしれません。国民を煙に巻いてごまかしているのかなぁ。。。

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    • March 23, 2010 at 11:39 pm
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      Nobuさん、
      制度の複雑さは本当に問題だと思います。税金ならTurboTaxがありますけど(あ、わたし、Intuitの回し者ではありません)、医療はそんなわけにいかないし。医者ですら家族の医療費の請求書の内容を解読できないそうです。
      わたしもアメリカに来て以来、医者にかかるたびに請求に何かの間違いを発見してきたので、これで本当に病気になって自分の請求書を見る気力もなくなったら、とてもじゃないけどやっていけないと危惧しています。

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