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アメリカ人と貯蓄

Mar 10th, 2010 by F Fries

今日のCNNにショッキングなニュースが!他のサイトにも配信されていたから見た人も多いと思うが、アメリカ人の43%が、一万ドル未満の貯蓄しか持っていないと!

ニュースというのはある程度ショッキングでないと売れないので、わざとこんな書き方をするのだろうけれど、これ、よく見ると、「25歳以上の勤労者の意見を調査した」とある。この「43%」の年齢別の内訳がどうなってるとかそういうことは、この記事では全くわからない。大体、25歳のときに真剣にリタイアメントのこと考えてる人ってどのくらい?

仕方がないからこの調査の元にあたってみることにした。このレポートはなかなか面白いと思ったけれど、ちらりと見たところでは、「Social SecurityやMedicareの財源が枯渇するのを防ぐため、あなたはどういう手段を取るべきだと思いますか」という質問に対して、「給付額を下げる」とか、「税率を上げる」とかいう選択肢はあるのに、「課税対象の上限を上げる(もしくは上限を廃止する)」という選択肢はないのがわたしにはすごく不満だった。(ついでに「43%」の年齢別内訳はついに分らずじまいだった。)

アメリカ人の貯蓄率の低さは以前から指摘されている。現在ではリタイアメントプランといえば401kのようなdefined contribution planが主流だが、401kというのはそもそも一般人のリタイアメントのために考え出されたプランではないらしい。

ちょっと前まではアメリカ人の普通の勤め人のリタイアメントといえばペンション(年金)プランが多かった。401kというのは給料の一部を後でもらったことにして、当座の税金を減らそうというプランで、元々は高給を取る重役のための節税プランだった。それを一般勤労者にまで適用を広げてペンションプランの代替にするようになったのは80年代以降のことという。

雇用主にとって401kは比較にならないほど割安である。このサイトにそのあたりのことがうまくまとまっている。

This concept is much easier to grasp with an example. Let’s say that Joe worked for 30 years and earned $60,000 per year at retirement and that his employer’s policy is to provide a pension equal to 70% ($42,000 per year) of his highest income. If Joe retires and then lives another 30 years, the employer will have to pay him 30 X $42,000 = $1,260,000.

If, on the other hand, Joe’s company provides a 401K plan that matches 5% of his income the picture is quite different. For simplicity, let’s assume Joe earned $60,000 every year that he worked. Let’s say that the company pays $2,000 per year for various 401K plan administration expenses related to Joe’s account. In addition, they match 5% of his income, $3,000, in the plan for 30 years. The employer’s total liability for Joe’s retirement benefits is ($2,000 admin & support X 30 years ) + ($3,000 company match X 30 years) = $150,000.

年収6万ドルのジョーに退職後30年間、現役時代の7割のペンションを払った場合、雇用主の経費は$1,260,000。一方、401kなら5%のマッチをしても$150,000。被雇用者一人につきミリオンダラーの節約になるとなれば、雇用主がどちらを選ぶかは火を見るより明白。

プロが運営する(はずの)ペンションプランと言えど、リターンを上げるためにexoticな金融商品に手を出して、リーマンショックとともに奈落の底に突き落とされたものも少なからずあるし、鉄鋼やGMのように倒産してしまう例もある。そう考えると、わたしなどは他人に頼るよりは自分で貯蓄する方がまだ安心だと思うのだけど、この国には自分で貯蓄できない人が多いからこんな記事がデカデカと載るわけだし。

ついでに今日(3月9日)は今回の不況で株式市場がどん底をヒットした一周年だそうである。そう言えばブッシュ時代にSocial Securityを私営化して、株式に投資するという案がでていたけれど、ブッシュ時代の政策を擁護する人の間でも、この案を擁護する声は聞いたことがないなあ。貯蓄率の低いアメリカ人にとって、Social Securityは最後の頼みの綱である。ブッシュ案が通っていたら、Social Securityは今頃どうなってたことやら。

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Posted in FI, Life, Money | 6 Comments

6 Responses to “アメリカ人と貯蓄”

  1. on 10 Mar 2010 at 3:00 am1Chee

    私もこの記事にショックを受けました。
    私は、20代の時は、よくわからないけれどマッチ分はもらっておくか、くらいの感じでした。
    ペンションプランがなくなってしまったのは、そういうことだったのですね。
    みんなこれからどうするつもりなのでしょう?死ぬまで働く予定なのでしょうか?

  2. on 10 Mar 2010 at 11:14 pm2F Fries

    アメリカでも経済的に親の面倒を見てるひともいるようですけど、そういうしっかり者の子供がいる人ばかりじゃないだろうし、だったら友人か親戚の家の地下に居候して、social securityで細々暮らすしかないでしょうね。一生働くって言っても、高齢者はなかなか雇ってもらえませんし。家賃、光熱費などがゼロで、本当に食べるだけ、というのなら、social securityでなんとか暮らせます。病気になったらMedicareの自己負担の部分が問題ですが、資産がなければ、未支払いの医療費がcollectionに行ったって怖くないという考え方もあるでしょう。

  3. on 11 Mar 2010 at 11:02 am3O-ya

    ホント、メディアによる統計の悪用・乱用はスゴイですよね。私もできるだけ元の調査を見るようにしていますが、そうすると調査結果は、記事とはかなり違っていたり。
    皆、○○%と簡単に使いますけど、「何の%なのか」がよくわからないのもあったりして。
    私は、元々、大学院で社会科学系を勉強していたのですが(読んでは書くの毎日)、
    そこで学んだのは、[The name of the game is 結論(仮説?)に合った統計を探してくる」でした。というと、理系の人に「仮説が崩れることもある」と怒られるのですが。Lies, damned lies, and statistics!
    しかし、この調査は面白いですね。私は3割が60歳前にリタイアするというのが予想以上に多くてビックリしました。Social Securityに関しては、http://ow.ly/1gQP1
    student loan未払いの人多いから、Social Sec.すらもらえないかも…

  4. on 11 Mar 2010 at 11:49 pm4F Fries

    人間、自分の見たい結論しか見えないんですよね。同じデータを元にしていても、保守系のシンクタンクとリベラル系のとでは、どこに重点を置くかで出て来る結論は正反対。

    Social Securityを借金の返済で巻き上げられたらどうするんだろう?フードスタンプは貰えるんだろうか???

  5. on 12 Mar 2010 at 9:38 pm5O-ya

    まさに、その例が!http://ow.ly/1iioz  ほんと Fox News 笑わせてくれる!

  6. on 12 Mar 2010 at 10:59 pm6F Fries

    どうして皆、他人の話は鵜呑みにしない、という教訓を学ばないんだろう、、、

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