三軒目の家(1)

家シリーズ(?)の続き、三軒目の家の話。

三軒目の家を買ったのは2005年、折しも不動産バブルの全盛期だった。

シカゴ地域に引っ越したのは2004年3月だったが、引っ越した当初はまずアパートを借り、それからゆっくりと家を探すことにした。何しろ、アパート探しに行ったときに冷やかしで入ったエバンストン(シカゴのすぐ北の郊外)のオープンハウスの売値が50万ドル以上!Standard Chicago lotと言われる狭い土地(シカゴ標準は24x125フィートらしいが、実際のサイズは様々。でも、どれもこれも確実に狭い。)に小さな3ベッドルームの古い家で、確かに「ちゃ〜みんぐ」(不動産広告の決まり文句。charmingは「小さい」の意味と思って間違いない。)で、それなりにきちんと手入れのされた家ではあるが、だいたいここは中西部でしょ!こんなものに50万ドル以上出す馬鹿がどこの世界にある!と言いたくなるよう代物だった。それに周囲も高級住宅街とは決して言い難く、いったいこいつら何考えてんだと、連れと言いあったものである。

その値段に呆れ返ったのにはもう一つ理由がある。当時、賃貸物件(家なりアパートなり)を探すために定期的にCraigsListをチェックしていたのだが、その売値50万ドルの家とほぼ同程度(大きさ、築年数)と思われる家の家賃は、月2000ドルもしなかった。同程度の物件の賃貸価格と住宅ローン返済額(プラス保険と固定資産税)の差というのは不動産市場のバブル具合のよい指標であるということを知ったのはもっと後になってからのことであるが、理屈は不得手でも本能的に倹約家の同居人が、「こんなもん、普通のマーケットに出てるもんなんか買われへんで。賃貸の方がずっと安いから、どうしても買いたいんやったら賃貸物件の持ち主探して、直接買ったらええねん。」と結構本質を突く意見を述べたのだった。

(ちなみに50万ドルの家を普通に頭金20%、利率6%のローンで買うと、モーゲージの返済額だけで月2400ドル、これにエバンストンは固定資産税が高いから、税金と保険で月約1000ドル、頭の上に屋根を保つために毎月最低3400ドルかかる計算になる。)

そもそもオープンハウスの番をしていた不動産エージェントが言うには、その家にはすでにオファーが入っていたのだけれど、何らかの理由でそれ以上事態が進まず(contingencyのどれかに引っ掛かったに違いない。ローンが降りなかったか、インスペクションの結果、買い手がびびってしまったか。)、再びマーケットに出ることになったということである。

「でもね、向かいのVictorianが60万ドル以上で売れたから、この家もすぐに売れるわ。」オファーが破談になった割には何と強気な!(ちなみにこのエージェントがインド料理屋の場所を教えてくれなかったエージェントである。)

それまで月々2000ドル以上、家にお金をかけた経験のなかったわたしは、アパートのリースが切れるまでの一年間、じっくりと次の策を練ることにしたのである。

6 thoughts on “三軒目の家(1)

  • February 2, 2010 at 2:37 pm
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    エライ! 新しい土地に引っ越して、すぐに家を買うのは絶対にやめた方がいいですね。ある程度、土地勘ができてからでないと。Charming、まさにその通り!私のCAの投資家の友人も、”Cute house”とか見ると、「cuteなのは女だけでいい」と。
    FFさんは、何度も自宅を売買されているので、不動産のことよくご存知ですよね。普通のhomeownerはそんなに知らないですもん。同居人さん、昔、不動産投資されてたんじゃないです?売主から直接買うって、普通、投資家じゃないとやらないですよ。
    CAの大都市では、バブルの頃は、50万ドルで一戸建ては買えませんでした。Condoしか。私、IA時代はDavenportだったので、シカゴには車で2時間ほどでした。

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    • February 2, 2010 at 8:50 pm
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      プロにお褒めにあずかって光栄です^^
      実はシカゴの前はサクラメントに住んでたんです。サクラメント、ストックトンあたりの不動産がバカ上がりしたのは、バブルの末期でしたよね。2003、4年頃は、不動産は上昇傾向にあるけど、まだまだsaneな値段(一戸建てで200Kくらい)でした。それに比べて、シカゴ近郊がmidwestのくせに(!CAやEast Coastから来ると、どうしてもこう形容してしまう)高いのでびっくりしました。
      同居人、流行に全く流されないタイプなので、こういうときはありがたいです。昔、自分の家を思いっきりlow ballなオファーで買ったそうですが、事情があって思いっきり安値で売ることになったので、profitは全然なかったとか。だから本人はまったくお金に縁がありません。見る目はあると思うのですが、行動が付いて行かないみたいです。(去年の冬、わたしに毎日のようにFordの株を買えと勧めていました。「あんな潰れそうな会社なんか嫌や。」と言ったら、「Fは潰れへん。ヨーロッパの売り上げが安定してるから、GMとはちゃう。」と宣いました。あのときちょっと買っといたらよかったな。)
      Davenport、ミシシッピ川沿いですね。あの辺りは古い工業都市が多いですね。はじめて車でミシシッピを越えたときは、何となく感動しました。

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  • February 3, 2010 at 3:42 am
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    あはは。同居人さんするどい!
    わたしも、いかにも売れ残って仕方ないからネガティブキャッシュフローだけれど賃貸に出してます、みたいなところに、売ってくれってきいてまわろうかな。 その方が安くていいのが見つかりそう!

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    • February 3, 2010 at 11:49 pm
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      Cheeさん、
      あとは、うんと昔からその物件を持っていて(だからcost basisがすごく低い)、もう賃貸は手間がかかるから売ってもいいんだけど、普通のマーケットで売るとなったら多少は手を入れなくちゃならないし、エージェントに6%取られるし、それが面倒くさいから現状維持のまま持ってる、みたいなオーナーを見つければいいかもしれません。ただし、お金にうるさい親戚がついてると売ってもらえないでしょうから、なかなか難しいかもしれないけど、探してみる値打ちはあるかも。(うちの同居人はNoという答えは「今はだめ」ぐらいにしか思ってなくて、結構しつこく食い下がります。)

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  • February 3, 2010 at 12:58 pm
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    FFさんの同居人さんは、ホントに私の相方と似ています。彼もFortuneを読んで(私が購読しているのに私より先にお風呂で読んでグチャグチャにする)、「この株、買った方がいいよ」と言うのが、わりとあたる。でも、GMの倒産直前、GM株を自分でも買おうかと思ってたくらいで(私がやめた方がいいと)、あれはハズレでした。
    Davenportは、Quad Citiesと呼ばれるIAとILの都市がいくつか集まったエリアで、Davenportにはカイロでは有名なPalmer Collegeがあります(それくらいしかない!)

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    • February 4, 2010 at 12:12 am
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      O-yaさん、
      うちもすぐ雑誌をグチャグチャにします。あとそれから、ジムやドクターのオフィスから雑誌を持って帰ってきます。「そんなことしたら泥棒やん!」と非難すると、「高い金払てんのに、雑誌の一つや二つ、貰わんでどうする」とすごい理屈をこねます。
      うちの妹は株を見る目はありませんが、将来性のあるスポーツ選手を当てるのが得意です。人間それぞれ向き、不向きがあるようです。

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