Bright Star

イギリスのロマン派詩人キーツの短い生涯を彩った、秘められたラブストーリー。

キーツの伝記の中では、彼の婚約者ファニー=ブローンは、文学よりもファッションと恋愛に夢中な、内容の薄い女性だったということになっているらしい。しかしこの映画によると、それはキーツを取り巻いた男性の友人たちの偏見で、ブローン嬢は彼女なりに心からキーツを愛し、理解しようと努めたのだという。

19世紀初頭のイギリスは、その後の堅苦しい作法に縛られたヴィクトリア期とは違って、もう少し自由な社会だったらしい。(ジェーン=オーステンの作品にその一端がうかがわれる。)ファニーの衣装、部屋の中を蝶で埋め尽くすシーンなど、映像的に非常に美しい映画。監督は「ピアノ」のジェーン=カンピオンだけど、「ピアノ」ほどおどろおどろしい感じはしない。

Bright Starというタイトルは、キーツが転地療養のためイギリスを離れる直前に書いたというソネットから。

Bright star! would I were steadfast as thou art—
Not in lone splendour hung aloft the night,
And watching, with eternal lids apart,
Like Nature’s patient, sleepless Eremite,
The moving waters at their priest-like task
Of pure ablution round earth’s human shores,
Or gazing on the new soft-fallen mask
Of snow upon the mountains and the moors—
No—yet still steadfast, still unchangeable,
Pillow’d upon my fair love’s ripening breast,
To feel for ever its soft fall and swell,
Awake for ever in a sweet unrest,
Still, still to hear her tender taken breath,
And so live ever—or else swoon to death.

終わりのクレジットが流れる中、Ode to a Nightingaleが朗読される。映画は最後のクレジットも作品の一部、という製作者の主張がうかがわれる。

登場人物の中でいちばん印象に残ったのは、ファニーの妹マーガレット(トゥーツ)。「ピアノ」でも主人公の娘役を演じたアナ=パクィンが非常に印象的だったが、ジェーン=カンピオンは不思議な魅力にあふれた子役を使うのが得意なのだろうか?

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