Le mari de la coiffeuse

久しぶりの映画。オマハのような地方都市では、ハリウッド制作以外の映画を見る機会はなかなかない。わたしの知る限りで二館ほど、ハリウッドの流通経路以外の映画を上映している映画館があるけれど、必ずしもチョイスがこちらの好みに合うわけではなく、ときどきにしか行かない。これはそういった「珍品」の一つ。

公開されたのは1990年だから、もう二十年近く前の映画ということになる。子供の頃、理容師に心をときめかせたアントワンは、大人になったら何になりたいという問いに「理容師の夫になりたい」と答えて父親を怒らせる。それから数十年、美しい理容師マティルドに一目惚れしたアントワンは、初対面で結婚を申し込む –

真面目に考えればどうにも筋の通らないストーリーなのだけど、フランス映画特有の不思議な詩情にあふれた作品。妙に哲学的な会話の一方で、アントワンの妻マティルドは肉感的に美しい。理髪店という閉じられた空間の中に暮らす二人の生活は、無意識下で死と隣り合わせであることをうかがわせる。フラッシュバックで語られるアントワンの「初恋」の理容師の自殺、マティルドに店を売って自分は老人ホームに引退した先代の理容師、そして。。。

マティルドを演じる女優さんが、いかにもヨーロッパ風の色気ある美しさを醸し出しています。(彼女はフランス人じゃなくてイタリア人らしい。)ImdbWikipediaの写真は、その魅力を十分に捕らえていないと思う。波打つ黒髪のイメージとしては、ロゼッティのペルセポネの絵に似てるかな?でも、ペルセポネのような暗さはなく、あくまで明るい光に満ちたイメージです。

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