不況の元凶はクリントン?

MSN Moneyで「Banking crisisの元凶はクリントンか?」という記事を見つけました。これによると、現在の不況に直接大きな影響を及ぼしたと思われる三つの政策は、どれもクリントン政権下で始まったということです。

その一、家の売却益に対する法律の変更。
その二、ヘッジファンドへの巨額の財政援助を余儀なくされたにもかかわらず、それを取り巻くregulationを見直さなかったこと。
その三、Glass-Steagall法の廃止。これによって、銀行と証券会社の境界がなくなった。

わたしは経済に関しては全くの素人ですが、その一に関しては自分の経験からしてもさりありなんと実感できる部分があります。1997年の法律変更以前は、家を売れば(自分のprimary residenceでも)、その利益にかかる税金にはいろいろ複雑な取り決めがありました。わたしが最初の家(タウンハウス、東海岸の某州)を買ったのは1996年。家を買う前に当時新聞に掲載されていたBob’s Real Estate Mailbagというのを毎週熱心に読んで、その複雑な税金の仕組みを勉強したのを覚えています。詳しいことは覚えていませんが、とにかく家を売って得た利益には税金がかかる(ことがしばしばある)ので、少しでもその税金を少なくするため、家の改築に費やしたレシートはどんなに古いものでもちゃんと保管しておかなければならないというのが当時の常識でした。ただ、一生の一度だけ、25万ドルまでだったか売却益が非課税になる制度があり、これは主に中高年の世帯が、子供が家を離れた後、ダウンサイズして小さな家に移るのに利用できる制度だったようです。

それが1997年の変更以後は、(思いっきり単純な言い方をすれば)2年間、primary residenceとしてその家に住めば、独身で25万ドル、夫婦で50万ドルまで利益が非課税。この制度が利用できる回数に制限はなし。理論上、夫婦で2年毎に50万ドルの利益を上げつつ、無税で不動産を転がしつづけることが可能になりました。

制度的に可能であれば、そのうちに必ず、それを実行する人が出て来ます。わたしが最初に買ったタウンハウスも、2000年を過ぎる頃からあれよあれよと急速に値上がりし、それを手放した2004年には、評価額は最初の購入額の三倍(200%の値上がり)になっていました。この利益は非課税額の枠内。

その利益を元手に買ったシカゴの家は、実際に売れたのは不動産バブルがはじけた後でしたが、それでも3年で20%以上の値上がり。隣の家は、まさしく2年毎に不動産を転がすことを目標としている、家転がしのプロでした。(お隣さんは、バブルがはじける直前に、買値の倍近い値段で売ることに成功しました。隣がべらぼうに値上がりしたから、うちも便乗価格で高く売ることができたわけですが。)

人間の心理として、利益に税金がかかると言われれば、無茶苦茶に値をつり上げることを躊躇する部分があると思います。1997年の税制変更に大きな恩恵を被っているわたしが言うのも変な話ですが、この法律がなければ、最初の家が10年足らずで3倍に値上がりすることもなかっただろうし、シカゴの家が3年で20%値上がりすることもなかっただろうと思います。

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