Gran Torino

クリント・イーストウッドの新作。考えてみれば、「ダーティーハリー」とか「マジソン郡の橋」とかを見ていないので、クリント・イーストウッドの映画を見るは初めてのような気もする。(ちなみに「マジソン郡」はうちから車で二時間足らずで行けます。)

話は、時代の波とともに変化してゆくデトロイトに住む、もとフォードの工員ウォルトの話。朝鮮戦争から戻ったあと、フォードで定年まで勤め上げ、こじんまりとした手入れの行き届いた家に住み、自分のことは自分でする偏屈じじい、というのは、アメリカの一つのパターンですね。うちのお隣さんもトラックの運転手から退職したおっさんで、天気が良ければ家の手入れをしたり芝生を刈ったり、季節になれば釣りや猟に出かけるようです。

自動車産業の衰えとともに荒廃しつつあるデトロイトで、いつのまにかマイノリティと化しつつある白人のおっさんのキャラ設定は、ある意味ではあまりにステレオタイプ過ぎる部分もありますが、「古き良きアメリカ」へのノスタルジアをかき立てるためには、このように判り易すぎる方がいいのかもしれません。ウォルトは何かある度に銃を振り回すけれど、アクションバイオレンス映画になることなく、ひどくメランコリックに展開します。しかし、イーストウッド、78歳なんだそうです。その割にはパワフルです。背筋もしゃんと伸びて、お腹もあんまり出ていない。映画俳優の「見栄」でしょう。

うちの同居人の感想は「くだらん」のひと言でしたが、現在のアメリカというものを娯楽作品の枠組みの中でうまく切り取った映画だと思いました。

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