Yes, we can!

大統領選挙が終わって24時間、投票日前からオバマの圧勝が予想されていたものの、本当に終わってしまうと何だかしみじみとしてしまうものである。もちろん新政権にとって本当の課題はこれからであって、不況、戦争、巨大な財政赤字、国民健康保険、クリーンエネルギーの促進など、問題は山積みである。オバマ自身、「再起への道は長く険しい」と警告しているが、新大統領の手腕と情熱が問われる。

昨日は職場でも皆、選挙の話題で持ち切りで、ネットを見ながら「いつになったら開票速報が始まるんだろう」とほとんど仕事そっちのけでその話ばかりに花が咲いていた。わたしにとって、これはアメリカに来てから5度目の大統領選挙、とくに今回はかなり長い間、大統領選の行方に注目していたので、開票速報の手順までほとんど把握していたほどである。すなわち、前回、前々回と誤報が続いたため、マスコミは今回は自重して、投票終了までは投票場での出口調査を元にした「予測」を流さないという方針を取った。そのため、速報が始まったのは一番早くに投票が終了したインディアナ州の一部。インディアナは歴代共和党の強い州で、そこでオバマがかなり善戦しているようだったので、これはなかなか良い徴候だと直感した。(その上、最初に開票が始まるのはインディアナの中でもかなり保守的な地域で、これにシカゴに近い地域の開票が始まればオバマ票はもっと伸びるだろうと判断したわたしは、相当の選挙マニアですね。)結局、当地の時刻で7時までに票の行方が決まったのは、バーモント州(オバマ)とケンタッキー州(マケイン)のみ。

家に帰ってからは家人と二人、ネットにかじりついて行方を追った。なにしろ投票日直前の有権者調査ではオバマ当選確率90パーセント以上、世界で最も信頼できる予想を出すと言われる賭博サイトの予測(アメリカでは選挙をネタに賭けることは違法であるが、イギリスなどでは合法らしい)は20対1の確率でオバマ有利とされていたから、まずオバマが当選するであろうとは思っていたが、やはりこれは選挙であるから、思いもかけないどんでん返しがあるかもしれない。うちはテレビはほとんど見ないので、ニュースはネットで、これだと自分の見たいときに地図を見直したり、大統領選と議員選挙を交互に追うことができるのが大変便利である。アメリカのテレビ局は、それぞれ独自の当選確実予測を出すので、すべての局の当確宣言の一覧表まで用意して万全の体制(?)で挑んだ。

最初に開票の始まったインディアナは案の定、いつまでたっても勝者が確定しない。そのうち、東海岸の各州の投票所がぞろぞろと閉まり、同時に北部を中心にオバマ票、南部はマケイン票、とこれはほぼ予想通りである。「ペンシルヴァニアはどうなってる?」「オハイオはどうなってる?」「どうせ開票にかなり時間がかかるだろう」と言い合ってるうちに、意外と早くに「ペンシルヴァニアはオバマ」と宣言する局が現れはじめた。ペンシルヴァニアは激戦区の一つで、投票日直前になってマケインの巻き返しが進んでいると言われただけに、思いのほかの早い展開に、これはもしかしたら前回や前々回の大統領選と違って、さっさと決着のつく選挙かもしれないと思い始める。それからしばらくして、今度はオハイオ。ネットで仕入れた様々なシナリオを総合してみると、この時点でオバマ当選は確定したも同然だった。それ以降も、テレビ局は「オバマ当選」を宣言するのを少々渋っていたようだが(西海岸の投票がまだ続いているため、「当選」を宣言してしまうと投票に行かない人が増えるかもしれないということで)、カリフォルニアの投票所が閉まると同時に各局一斉に「オバマ当選」宣言。ほぼ二年に渡る長い選挙戦は意外とあっさりと終わってしまった。

オバマの本拠地シカゴを含む中西部一帯は、この日は季節はずれの暖かさで、これがこの先のオバマ政権の明るい前兆であることを期待したい。