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Young Fundraiser

昨日、学部長の秘書さんがオフィスにやってきて、「ちょっとお願いがあるんだけど」というので何事かと思ったら、実はドナー(寄付をした人)とその家族が来るので、時間があったらラボを案内してほしいとのこと。

うちの大学は州立大学だが、州の予算からの拠出金は予算のごく一部に過ぎず、(二年前のデータによると全体の4分の1)、残りはグラント、病院収入、それから寄付などで賄われる。

ポスドクの時は直接経験することはなかったのだが、いったんfacultyになると、どこの大学でも何らかの形でドナーとの交流を経験することになる。いちばんよくあるのは「ラボ見学と研究内容の簡単な紹介」だが、ドナーと少人数で食事に行ったこともあるし、大人数のパーティー形式(日本で言えば結婚式の披露宴みたいな感じ)も定期的にある。

オマハは地方都市だが、相当数の「バークシャー長者」(バフェットのバークシャー・ハサウェイに早期から投資してた人)が今でも地元に住んでおり、町の規模の割にはドナーベースは大きいらしい。

さて、昨日のVIPはどんな人だったかというと、なんと10歳の女の子だった。なんでも大分以前におじいさんが癌でうちの大学病院にかかったそうだが、治療がうまくいって今も元気で一緒に魚釣りに行ってるとのこと。大好きなおじいさんを助けてくれた大学病院にお礼をしたいと思って、60ドルちょっと寄付したのだという。

彼女がどのようにして60ドルもの大金を集めたのか聞きそびれたが、アメリカで多いのは家の手伝いをして小遣いを貯めるとか、レモネードを売るとかいうパターン。見た目は普通の家庭の普通の小学生だったから、おそらく彼女の寄付金集めの手段もそのようなものだったにちがいない。

研究内容を紹介すると行っても、相手が大人ならともかく、10歳の小学生では「細胞」とか「タンパク質」とか言っても面白くないかもしれない。何がいいかと考えた末に、適当に見た目がきれいそうな組織標本を取り出して、それを顕微鏡で見せることにした。

かくしてYoung Fundraiserは高額(?)寄付のお礼に、学部長のところでクッキーを食べ、うちのラボで顕微鏡を覗くという特別待遇を受けて帰って行ったのだった。

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銀行の新商法?

新しいクレジットカード規制がいよいよ実行に移るようだが、それに合わせたかのように銀行から新しい「お誘い」が。

Collateral(担保)なしで2万5千ドルまで貸してくれるという。金額からみて明らかに、これまでならHELOC (home equity line of credit)を勧めていたような顧客を対象にしているのだろう。今は持ち家の評価額が落ちているから、HELOCの審査基準では通らない人も多いに違いない。クレジットカードでそれだけの額を借りることもできるだろうが、新しい法案のために銀行には何かと不便な点もあるに違いない。(わたしは詳しくは知らないので憶測だが。)そこで、クレジットカードでもない、HELOCでもない、という新手の商品が登場した、というのがわたしの推測である。(それともわたしが無知なだけで、昔からこんな商品はあったのか?)利率はプライムプラス6%から10%の変動利率だそうである。

まあ私は今のところ、今の家のローン以外に借金もないし、近い将来に借金する予定もないから、面白半分にメールを見てるだけだが、金融規制というのは全くのイタチごっこだね。

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アメリカではVJ Day(対日戦勝記念日)は時差の関係で8月14日だが、日本で育った者としては終戦記念日といえばやはり8月15日である。ちなみに8月15日はカトリックでは聖母被聖天の祝日で、夏のバカンスシーズンの終わりでもある。今年は約一ヶ月に渡って猛暑(といっても100 °Fになるかどうかという程度だが。ただし今年は、日本並みとはいかないものの、ひどく湿度が高かった。)の続いたオマハだが、昨日の午後から涼しい風が吹き始め、いきなり夏の終わりを思わせる季節に突入してしまった。

8月6日、広島原爆記念日に合わせて、地元の平和団体(Nebraskans for Peace)が州都リンカーンで日本の原爆作家、林京子の放送劇「フォワグラと公僕」の英訳を上演するのに同居人の付き合いで行ってきた。登場するのは元米軍軍人の夫ボブの墓参に来た日本人妻ユーコとボブの亡霊、観光でそこに居合わせた日本人医師オキタ、それにユーコの孫たち。ボブはコレヒドールで日本軍に捕われ、戦争中を捕虜として富山で過ごした。ユーコは名古屋の空襲で両親を失った戦災孤児。オキタは医学生として爆撃直後の長崎に入ったという過去を持つ。

上演のあとでこの劇を翻訳した日本人英文学者ツクイノブコさん(University of Nebraskaで学んだ人で、その縁で今回のイベントが開催されたらしい)との質疑応答。原爆に対する現在の日本人の受け止め方はどうかという質問に、ツクイさんは「あまり大きな反響はない」と答えられた。その背景として、縁談し差しさわるとして被爆の事実を隠すことが多かったことなどを挙げられたが、それだけだろうか?これはやはり戦後の米ソ冷戦構造の中で、原爆をあまりに大きく取り上げて米政府の不興を買うことを恐れた日本政府の有形無形の圧力があったのではないだろうか?

同居人によると、この日の観客の多くはUniversity of Nebraskaのfaculty連中だということなので、この場の雰囲気をもって中西部辺境の一般的な原爆に対する意識を測ることは難しい。

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New York Timesから「あなたの意見をお聞かせください」というメールが来た。「所要時間20分」とあったので、ちょっと嫌な気がしたのだが、(向こうが「20分」と言ってくるアンケートは、たいてい非常に長い。)こういうものにはなるべく参加するようにしているので、指定のURLをクリックした。

アンケートの内容は、「あなたはどのようなメディアを通じてニュースを知りますか?」という質問から始まって、紙媒体の新聞、雑誌の購読の有無、ニュースにアクセスするのにどのような電子メディアを使っているか(デスクトップ、ラップトップ、スマートフォン、電子リーダー)、iPadを持っているか若しくは近いうちに購入する予定はあるか、どのようなニュースサイトを定期的に利用するか。

ここまでは言ってみればまあ、時候の挨拶みたいなもので、New York Timesが本当に知りたいのはここから先。

「nytimes.comは来年から有料になります。月$10ならあなたはアクセスしますか?」

これに「ノー」と答えたら、次は「$10の8割引ならアクセスしますか?」(何でこんな回りくどい言い方をせず、$2と書かないんだろう?)

「次の料金設定のうち、あなたが一番良いと思うものを選んでください。」

この料金設定の質問が延々と続いた。日曜版(紙媒体宅配)プラス電子版無制限で月$60とか、日曜版プラス電子版記事月に10本で$20とか(正確な設定、金額はよく覚えていない)、とにかくありとあらゆる組み合わせ、値段で、これでもか、これでもかと聞いてくる。しかもページによって、同じ組み合わせでも値段が違ったり。わたしは紙媒体の宅配購読料を払っている以上、電子版に追加料金を払う気は全くないので、「以上のどれでもない」と答えたかったのだが、そういう選択肢はなかったので、適当に安そうなのを選んでおいた。ちなみにうちは同居人が紙媒体を好むので、今のところ紙媒体なし、電子版オンリーという購読モデルは厳しい。

インターネットの普及で、従来のジャーナリズムが存亡の危機に立たされていることは理解している。無料のニュースサイト、ブログが山のようにあるとはいえ、それらの記事の中には、プロのジャーナリストの記事を焼き直しただけのもの、他人の取材を元にしたものが多いこともよくわかる。でも、わたしの個人的な意見を言わせてもらうと、すでに紙媒体にお金を払ってる読者に追加料金を払わせようというのはどうもいただけない。ついでに言うと、わたしはNew York Timesに限って言えば、紙媒体に印刷されている広告も好きなので、電子版にそれが一緒に含まれてきてもかまわない。むしろ、ネット用の変なおばちゃんがお尻を振ってる品のない広告より、ルイヴィトンやティファニーの広告の方がずっと気が利いていると思う。

イギリスのTimes(Murdochの新聞)は、有料化してから訪問者数が90%減ったらしい。しかし、一部にはこれは予想通りの数字で、訪問者数が激減しても、残った読者からお金を取る方が経営上は良いのだともいう。インターネットのおかげで外国の新聞、雑誌も送料、配達の遅れを気にすることなく読めるようになったのはありがたいのだが、いったん無料システムに慣れてしまうと、有料化されるとすごく損したような気になるのは否めない。

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長崎出島にオランダ商館の書記として来日した Jacob de Zoet の目から見た日本 — 年代的に多少のズレはあるものの、実在のオランダ商館長ヘンドリック・ドゥーフ (Hendrik Doeff) がモデルと思われる。彼の任期中にナポレオン戦争の余波で長崎港内に英艦フェートン号が侵入した「フェートン号事件」は「フィーバス号」 (HMS Phoebus) として作中に登場する。

ヤコブのプライベートな恋愛物語、オランダ商館内の権力抗争、日蘭当事者同士のだまし合い、腹の探り合い、日本側の政争、そしてイギリス船の登場 — ストーリーは何重にも重なり合い、絡まり合い、はっきり言ってかなり非現実的なプロットにも関わらず、ぐいぐいと読者を引き込む力を持っている。

あと、江戸期日本というものをこういう角度から見ることもできるのか、というのも新鮮な驚きだった。これまで不勉強にして、江戸中期というのは日本史の中でもどことなく中だるみのような印象を持っていたから、なおさらのことである。いくら日本が鎖国を掲げてみても、ナポレオン戦争という世界史上の大事件からは完全に無関係であり続けることはできなかった。

背景となる時代は異なるものの、非日本人作家の描いた日本の時代小説という点で Memoirs of a Geisha を思わせる部分もあるが、ストーリー展開のうまさではこちらの方が断然上。

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Guns, Germs and Steel

10年以上前に出た人類学?から見た歴史?の本。(クエスチョンマークを付けたのには理由がある。)出た当初は、その比較的学術的な内容にもかかわらず予想外の大ヒットとなり、とくに財界人や政治家の間でも広く読まれたという評判の本だった。今回、Kindleでサンプルをダウンロードしてみたらちょっと面白そうだったので、残りも購入したのだが –

読後の感想は、「長い、くどい、うっとおしい。」

著者は、なぜヨーロッパ人が近代世界を制したのか、なぜ逆にニューギニア人がヨーロッパを征服しなかったのかという問いを投げかけ、その答えを人類史に求める。19世紀的史観によれば、これは人種、文明の優劣ということになるのだが、著者は「人種間に能力の差はない」(これは「人種間に能力の差がある」という仮説と同様、実証されたわけではない)という仮説を当然の事実とした上で、文明の発達速度の違いは地域による気候、植生、動物相の違いといういわば偶然の産物であると論ずる。

たったそれだけのことを示すのに、果たしてこれだけの紙数が必要だろうか?

なるほど、文章は比較的読みやすい。ただ、好みの問題かもしれないが、内容と不釣り合いなほど平易で繰り返しの多い文章は、ともすれば condescending で鼻につく。

また、著者が論拠として挙げている evidence には様々なところから異論が出ているが、わたしの目に止まったのは文字の発明と伝播の項に登場する「日本語と漢字」の下りである。いわく、日本人が簡便な表音文字のみのシステムを使わず、いまだに中国からの借り物である漢字を使うのは、漢字使用に付随する prestige のためであるという。

はあ〜?

愚考するに、日本語の書き言葉が漢字を捨てないのは、同音異義語の多い現代日本語のボキャブラリーを有効に駆使するには、表意文字である漢字の使用が便利であるからである。わざと違った字を当てて多重の意味を含ませる、などというのは表意文字にしか芸当であるが、これは表音文字言語使用者には理解すべくもない概念なのかもしれない。(中国人は非漢字圏の人名を記載する際、好ましく思わない相手にはわざと悪い意味を持つ字を当てるという。)

もちろん、これなど、この大作全体からみれば、取るに足らない枝葉末節であることは重々承知の上であるが、このような sloppy さを見せられると、他の例まで信用できるのかどうか疑ってしまうのが人の常ではないだろうか。

個人的にはAmazon.comのレビューの中では、E. Robe(2つ星)、Christopher A. Smith(3つ星)にほぼ賛同する。たしかに一読には値する本ではあるが、ここに書かれたことを事実として受け入れるには論拠が弱すぎる。

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Summer Student その後

六月いっぱいで中国人のsummer studentがラボを去った。次は、同様の米中交換プログラムで別の大学で2ヶ月研修するのだそうである。研究か臨床かを選ぶ前にこういうプログラムで実体験ができるというのは、本当にうらやましい限りである。

さて、N=1という統計的には何の意味もないサンプル数だが、とりあえずこの2ヶ月の感想。

まず何よりも、英語がすごく巧くなった。来た当初は、何とか頑張れば英語で意思の疎通ができる程度だったのが、2ヶ月後にはものおじせず、何でも英語で話す。ちょっとしたおしゃべり(small talk)も大丈夫。本人いわく、いちばんの上達のきっかけは、アメリカ人のsummer studentだという。同世代だとやっぱりいろいろおしゃべりしやすいのだろう。ちなみにうちはインド人が多いのだが、インド人の英語は独特のアクセントがあって、まだまだ理解不能な部分が多いとのことだった。

サイエンスの面はいうと、こちらが渡した参考文献などをもとに自分なりにまとめ、人前で話すことができる程度には上達。質疑応答を完全にこなすレベルにはまだ時間が必要だと思うが、アメリカ人の学生が、「わからない質問には、That’s a very good question. と言ってごまかすんだ。」と教えてくれた、と笑っていた。

今の中国はものすごい競争社会で、このプログラムに選抜された彼ら、彼女らは受験戦争の産物。一人っ子政策の世代なので、皆、一人っ子。思うに両親、祖父母の期待を一身に集めて、子供の頃から受験勉強に邁進してきたのだろう。そのため、社会的にはわりとナイーブな感じも否めない。実験というのは、思ったようにいかないのが当たり前なのだが、どうもそれがフラストレーションの種であるような面も見受けられた。皆、優等生だから、言われた通りに勉強したのにうまくいかなかったなどというのは初体験なのかもしれない。

もうひとつ印象に残ったのは、彼ら、彼女らの消費欲。「どうせアメリカで売ってるものなんて、全部中国製なのに、なんでわざわざ買うの?」と聞いたら、中国製でもアメリカで買う方が安いとのこと。オマハのようなところでもなんとアップルストアがあるのだが、そこでiPadまで買ってるちゃっかり者もいた。不景気で消費の落ちているアメリカ経済を救ってくれるのは、消費に目覚めつつある中国の中産階級なのかもしれない。

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上申書

>FI Planningで読んでいただいてる方へのお断り。日本での遺産相続というのも滞米中に経験する可能性のあるfinancial eventだと思うので、FIにリンクしています。<

数年前に母の叔母(母方の祖母の妹)が九十近くで他界した。亡くなる日の朝七時半に、朝刊を取りに外に出たのを近所の人が見たらしいが、八時だか九時だかに老人デイケアの迎えが来たときには、もうこと切れていたらしい。高血圧だの何だの、年齢相応の持病は抱えていたものの、介護を要することもなく自宅で一人暮らし、思い込んだらテコでも動かない性格で、生きている間はよく親戚とけんかをしていたが、この逝き様ばかりは皆の感嘆を集めた。

彼女には子供がなくうちの母が相続人なのだが、相続税対策のため、彼女の家の名義にはわたしの名前も入っている(らしい)。これまでもこの家を売るために、いちおう周旋屋には出していたらしいが、(今でも一般的に周旋屋という言葉を使うのだろうか?うちの親はそう呼んでるけど。)昨今、マンションが建てられるくらいの広大な屋敷ならともかく、小さな古家付き宅地というのは大阪ではあまり良い値で売れないらしい。今般、所々の事情により、何がなんでもこれを売ってしまおうということになり、古家は撤去して更地として売ることになった。(まだ買い手は見つかっていない。)

さてこれに伴ってこの物件の登記を見直していたところ、わたしの部分に不備があることが判明したらしい。すなわち、わたしが日本を出たときに住民票を抜いたのだが、それには米国カリフォルニア州に転出となっており、現在の在留証明に記載された住所と一致しないのが問題なのだという。日本というのは不思議なところで、国内に住んでいれば住民票、印鑑証明など何重にも住民を管理するシステムがあるが、いったん海外に出てしまえば在留届のみ。海外駐在の手引きのようなものには「在留届を出しましょう」とやかましく書いてあるが、実際アメリカなどに住んでいると、在留届を出してなくても日常生活の上で困ることはあまり思いつかない。(それよりも大事なのはビザと社会保障番号だ!)日本国外で転居した場合、在留届、住所変更届けを追跡できるシステムがあるのかどうかもよくわからない。日本というのはそういう意味で、まだまだ国民が海外に住むことを念頭に置いていない社会なのだろう。

さて、経歴の一部が「所在不明」となったわたしの処遇は、というと、「過去にカリフォルニアに転出したわたくしと、現住所これこれのわたくしは同一人物に相違ありません。」という趣旨の「上申書」なるものを書いて、領事館で署名証明をしてもらえばよいのだそうである。わたしが文句を言う筋合いでもないが、果たしてこの程度の情報で個人を特定して大丈夫なんだろうか?これまで、ビクトリア期や米開拓時代の小説のように、他人になりすまして遺産を横取り、なんていう事件はなかったんだろうか?アメリカは戸籍も住民票もないけれど、お金に関する部分は社会保障番号で管理してるから、実は日本以上に個人管理が徹底してるのかもしれない。(それにしても、この「上申書」っていう言葉、何とかならないのかな?なんだかお白州に平伏してお代官様にお目通りいただいてるって感じがする。)

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Yellow Dog Linux 6.2

仕事用に新しいMacBook Proを買ったので、家の古いiBook G4にLinuxを入れてみることにした。前からLinuxを入れてみたいとは思ってたのだけど、どうせ一発では完全に動かないだろうし、その間のダウンタイムがもったいないのでずっと見送っていた。今回は新しいMacBook Proがあるからダウンタイムの心配はなし。iBook G4のハードドライブをOS XとLinuxにpartitionし直して、完全にゼロからの再出発。(ところで新しい15インチのMacBook Proは大きさの割にあまり重くない。14インチのiBook G4の方がずっと重い。)

Specs:

  • iBook G4 (Intel chipになる前のPowerMacの最終世代)
  • CPU Speed: 1.33 GHz
  • RAM: 768 MB
  • HD: 60 GB
  • No Bluetooth
  • DVD-R
  • 1 Firewire
  • 2 USB
  • Video card: ATI Mobility Radeon 9200
  • 14 inch color LCD display
  • Internal Modem
  • Built-in Ethernet
  • Airport Extreme

まずは古いデータをDVDにコピー。どうしても必要そうなものはGoogle Docsに上げ、それ以外のジャンクはコピーはするけれどコンピューターには戻さない。職場のデータはそういういうわけにはいかないが、わたしの場合、家のコンピューターのデータなんてその程度のものがほとんど。

データを完全にコピーしたことを確認して、いよいよ本番へ。

まずはiBookに付いてきたinstallation diskのdisk utilityを使ってHDをpartitionし、10GBをLinux用、残りをOS Xに分ける。あとは自動的にOS Xをinstallするだけ。これはあっという間に終わった。この際、ソフトウェアは無料ソフトに徹底することにして、Microsoft Officeは止め。次の日、職場に新生iBookを持って行って、OSのupdateや必要そうなソフト(OpenOfficeとかFirefoxとか)をダウンロードした。

LinuxにはUbuntuとかDebianとかいろんなフレーバーがあるが、今回は古いMac向けに特化したYellow Dog Linux (YDL)を選ぶ。他のフレーバーだと特にMacの場合、いろんな周辺機器のドライバーをいちいち探さないといけない可能性が高いが、YDLだとほとんどのものがその日から動くという。コツコツと「自分だけのシステム」をつくるのがLinuxの楽しみという話もあるが、こっちもそこまで暇じゃない。

以前はYellow Dog Linuxを扱うTerra Softという会社があったのだが、知らない間にFixstarsという日本の会社に買収されていた。ISOは同社からはダウンロードできず、残っているのはミラーサイトのみ。それも米国内ではArgonne National Laboratory、Oregon State University、University of Wisconsin-Madisonの三カ所がリストされているが、実際に外部からアクセス可能なのはOSUだけだった。

4GBの巨大ファイルをなんとかダウンロードし、DVDをつくっていざ開始!と思ったら、なんとこのDVDが読めない。このサイトの説明に従ってSHA1 checksumというのをやってみると、ダウンロードしたファイルが潰れてるらしい。家からダウンロードしても、職場からダウンロードしても、コンピューターを変えてみても、どうしてもちゃんとしたファイルがダウンロードできない。(Terminalを開けてポツポツとキーボードを叩いていると、何だか急に自分が賢くなったかのような錯覚に陥る。)

こういう時に役立つのがeBayである。Terra Softという会社は、もともとYellow Dog Linuxのinstallation diskを売っていたから、今でもこれを売ってるやつがeBay上にはいるに違いないと思って探してみたら、案の定、Buy it now!で$5で売ってた。

待つこと2週間、(何でこんなに遅いねん。良いフィードバック残してやらんぞ。)ようやく届いたinstallaion diskを入れる。ydl.netのマニュアルによるとinstall_ppc32というオプションがあるはずなのだが、それが見当たらないのでとりあえずinstallというオプションを選ぶ。

ydl6.2_apple_guide_commented

すると!

突然画面が赤、青、白、緑に点滅し始めた。

これもinstallationの一部なのかと思ってしばらく眺めていたが、一向に次に進む気配がない。本体のオンオフボタンをしばらく押し続けていたらコンピューターがオフになったので、次はinstall_textというオプションを選んでみた。

このオプションで一応installationは完了させることができたが、今度はrebootしたときにfirstbootに進まない。途中の設定を少しずつ変えてみたりして何度か試したが、どうしてもfirstbootに進めることができなかった。

このディスクも壊れてるのかな?もうどうでもいいや!と思って、もう一度installというオプションを選んでみると…

あら不思議、今度は何の問題もなくinstall出来てしまった。(最初のあれは一体何だったんだ?)

難なくfirstbootもクリア。しかし予想されていたことではあるが、このままではAirPort Extremeは認識されず、家のWiFi networkに入ることができなかった。

次の日、再びiBookを職場に持って行って、職場のLANに繋ぐ。(WiFiは動かないが、Ethernetは問題ない。何でいちいち職場に持って行くかというと、大きなファイルのダウンロードとかになると、家のネットワークは遅くてイライラするからである。)このページの説明に従ってAirPort Extremeの型式を同定し、b43-fwcutterというのをダウンロードし、Airport Extremeのドライバーをextractさせる。(というと何か大層なことをやってるように聞こえるが、実はこのページの説明をそのまま猿真似してるだけ。)

するとなんと驚いたことに、本当にWiFiが使えるようになってしまったのだった!

ここまで懇切丁寧な説明を書いてくれるくらいなら、最初からYDLのinstallation diskに組み込んでくれてもいいと思うのだが…林檎本家との知財の問題があるんだろうか?

残された問題点

  • 日本語入力(これは日本語システムにしないといけないのだろうか?)
  • キーボードマップ(右クリックをマップしたい)
  • ペンギンシール(安く手に入らなければ、自分でマジックで描くというオプションもあり)

しかし、OS Xの美しいインターフェースに慣れてしまうと、Linuxのインターフェースは素朴に見えるね。

ログイン画面。ディスプレーの下にiBook G4とあるのが見える。

Yellow Dog Linuxロゴ

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歩道その後

家の前の歩道の補修をめぐる戦いの続き。

うちの同居人が近所の人から聞いてきた情報によると、ことの発端はここから数ブロック離れたところにある「歴史的建造物美観維持地区」 (historic district) の住人たちらしい。うちは美観維持地区の指定範囲外にあるのだが、この地区内の住人たちが、「地区近辺の物件の状態が悪いと、自分たちの家の評価額に影響する」と言って、周辺地域の美化を市役所に訴え出たらしい。歩道敷石云々はその一環とのこと。

うちの家も含めたこの地域一帯は、昔(百年前)はオマハ市の西端で、金持ちがたくさん住む裕福な住宅街だったのだが、市街が西へ、西へと延びるにしたがってinner cityとなり、住宅街としての人気は低くなった。しかし、昨今の都心回帰の流れとも相まって、何とか復活させたいと思う人は少なくないらしい。

この辺の家はたとえばこんな感じ

とか、こんな感じ。

そりゃ、家の評価額が上がるのは悪いことじゃないけど、だからって言って大して悪くもないうちの前の歩道に文句をつけるのはやめてほしい。(それに評価額が上がると、固定資産税も上がるからねえ。今でも固定資産税、十分高いのに。評価額の2%越えてるんだから。)

敷石が1センチずれてる(測った…)のは、ちょっと地面を掘って細工したらまずまず平らになったので、月曜日に市役所に電話してみた。

「あの、歩道の修理が必要だって通達を受けたんですけど、わたしの目にはどこも悪くないように見えるんですよ。どこが悪いのか教えてもらえます?」

ついでにマンホールの件も一緒に尋ねてみたら、翌日電話がかかってきた。

「えっと、現場に行ってご指摘の部分を見てきました。南側の敷石はですねえ、あれはコーキングを直してもらえば結構です。それから北側のマンホールにまたがる部分は、これは市が補修します。」

ヤッタ!!!

しかし電話でそう言われただけでは心配なので、(書面でその旨、送ってほしいと言ったのだが、今のところ書面は届いていない)敷石にペンキで「市が補修」 (City To Repair) と書いてあるのをいちおう写真に撮っといた。最悪の場合はこれが書面の代わりだ!

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